ビジネスマン作法~クレームと菓子折り
2009年 03月 03日
その中には些細な相手のミスに付け込んで金品を要求することが目的の人も混じっています。
しかし、本当にとんでもないことをされて、怒らずにいられないケースや
放置するともっとひどい事態になることを予測して、あえて苦言を呈するケースがあります。
が、残念なのはどのクレームが重要な指摘なのかが受け手の知性によってなかなか判別できず、警告が現場に生かされないことでしょう。
上司として、どの相手には菓子折りを持ってお詫びに行くべきか、を十分検討しなければなりません。
相手が企業の場合は詫びのケースでも菓子折りなしでもかまわないと思います。
しかし、その筋の人とは違う、ごくごく一般的な人からのクレームには菓子折りを持参するのとしないのとではまったくその後の展開が違ってきます。
企業対個人のクレーム処理例で、相手が勇気を出して抗議をしてきたケースについてディスカッションしました。
あるビジネスマンは菓子折りはナシで行くべきだといいます。そして、きちんと弁償なりの金額を支払うべきだと。
実例ケースを用いてのディスカッションなので詳しくは書けませんが、私はまず最初に虎屋の羊羹みたいなものは持っていくべきだと思いました。
追記
このテーマでの閲覧数が非常に多いので、時効と言える実例の概略を書きますと、ある画像印刷物(多くの人の目に触れる可能性の高いもの)に人が映り込んでしまい、映っていた人が知人から「あなたが写真に写っているのを見た」と言われて本人が知ったケースでした。
よりにもよって、その時の画像はその人が不慮の事情でものすごくダメージを被って、情けない姿で背景に写り込んでしまっていたのでした。ご本人はまずは電話で「肖像権の侵害」を主張。
責任者がお詫びに行ったのですが、初回は手ぶらだったそうです。部下が手ぶらではどうも、と進言したのですが、責任者が、相手をクレーマーかもしれないと警戒し過ぎて、初回、手ぶらになってしまったとのことでした。責任を問われた会社は大会社で、責任者にエリート意識と構えがあったことは否めません。責任者は最終的にそんなに多くないお金を支払いました。
悲しい実例だと思いました。
というのも、後でお金を払うにせよ、民間の善意の人が思い切って抗議してきたことに対して、大企業であればあるほど、お金だけで処理すると、ものすごく相手の自尊心を傷つけてしまうと私は危惧するからです。
まず、「それは申し訳ないことを致しました」と侘びに行き、虎屋の羊羹です。
で、その後に相手のお話を聞き、誰が報告をきいても「納得」の多すぎず、少なすぎないお金を支払うべきです。
その方法なら、実例ケースで支払われた金額よりも負けてもらえたと思います。
実例ケースでは「詫びに来て菓子折りの一つもないなんて、常識がなさ過ぎでしょう」といわれたそうです。
クレーマー対策処理のノウハウだけで、クレーム処理をしてはならない例だと私は思いました。
それにしても。
金品目的のクレーマーほど卑しい存在はないですね。本当に深刻なケースのクレームや社会をよくしようとする抗議の声を発する人もそうした卑しい人の被害者だと思いました。
ちなみに30歳前後の女性が電車の中で友達相手に「休日は夫婦で買う気もないのにマンション見学をして商品券などをせしめて回るのだ」と得意げに話していて、「こういう感性の人が金品目的のクレーマーの素地を形成しているのかな」と感じました。
ああ!
by yoshi-aki2006 | 2009-03-03 15:08 | ビジネス | Comments(14)
思わず冷や水をかけられるようなクレームが発生したりします
何事につけ平常心を失うな と自分を戒める日々です
そして万が一のクレームには誠心誠意 がすべて
クレーマーには毅然とした姿勢
手持ちに関してはケースバイケースですが
私は7~8割がた持っていきます。
コメントありがとうございます。ホントに心の隙って突かれでしまいますよね。
クレーマーかどうか、の見極めは難しいですが全身全霊で相手の話を聞き何が原因かつかもうとすることはとても重要ですね。
モノを持っていくことの難しさはモノで気持ちをやわらげて下さる場合と、返ってへそを曲げられる場合があることでしょうか?
その見極めも難しいですよね。お互いに勉強しあいましょうね!
今後ともよろしくお願いいたします!
hikosakaさまは笑顔も加味されて相手の方の気持ちも和むのだと思います。私が学んだのは自分がクレームを言うときに相手が形式的に謝っているかどうか透けて見えてしまうので、自分が謝る時は言い訳しないでキチンと謝ることをしようと。
ある場所で漫才風に言った言葉が受け入れられずに怒られた奥様がいました。その時、誠心誠意申し訳なかったと謝ったら「わかったわ」と納得してくださいました。あれが言い負かしたり、言い訳していたら、その場は治まってもこっちも後味が悪かったと思います。
ほんとにいくつになっても勉強ですね。またいろいろ教えてくださいね。
ほんと、菓子折りとか「ごち」って扱いが難しいです。
持って行ったり「ごちそう」して、返って憤慨されねケースも場合によってはありますもんね。自分の経験からも、「こんなものでねじ伏せられてたまるものか」と頭に来たことがあります。
デパートだったかでものすごく失礼なカード担当女性がいて(たぶん相当頭の体操が必要な状況に置かれた人だと思います)、冷静に対応したつもりでしたが、そのやり取りを聞いていた男性社員が店頭プレゼントに用意してあったケーキのとりわけナイフみたいなものを二本くれたんです。男性社員は誠心誠意対応してくれたんだと思いますが、その時は「こんなもん、いらんわ。馬鹿にするな」と感じました。男性社員の気持ちはとっても良く分かるのですが、これは失礼だと感じました。ほんと難しいです。また、ご意見くださいね。
3、シェーバー代4000円に対し、菓子折り代3300円は高過ぎないか? 経済的損失は他社製品交換で済んでいる。物納とはいえ、販売店・メーカーの双方から返金の二重取りになるではないか。不正な物を送り付けられた感じがした。「渇すれども盗泉を飲まず」。刑事被告人に菓子折りを贈られた裁判官の心境。そもそも、菓子折りは不要の例では? 読む価値のない謝罪文とはいえ、送ってきたのが謝罪文だけか、何も送ってこないほうが、まだマシ。手紙を出したかいがあった、と感じる返事のほうがよほどうれしいのだが……。
電話対応もダメでしたね。「着払い返送を受けるか?」の確認のため、電話した時、形だけでも一度は慰留があるかと思いきや、あっさり「返送されるならお受けします」でした。あえて電話番号を伝えていない客が、わざわざ直接電話してきた意味を理解していませんでした。これぐらいのことは言ってほしかったですね(期待はしていませんでしたが)。
「謝罪文はすぐ書き直して送ります。ですので、ご返送はそれを見てご判断いただけませんか?」
それに、謝罪文を書いた担当者は私が名乗っているにもかかわらず、私が聞くまで名乗りませんでした。
相当古い記事に、長文コメント恐縮です。「謝罪と菓子折り」について、ちょうど納得できぬ対応をされ、貴記事を拝読しました。何かの一助になるかもしれませんので、コメントを残させていただきます。
某電動シェーバーが購入後半月で電源が切れなくなる不具合を起こした時のことです。販売店判断の交換1度、メーカー判断の交換1度、合計3台使っても、交換後それぞれ10日と6日しかまともに使えませんでした。最終的には、販売店判断で、他社製品交換となりました。
販売店経由ではメーカーへ、当該シェーバーの症状が正確に伝達されない可能性がありました。ですので、購入時の領収書コピーを添え、自分でメーカーへ症状を詳細に記した手紙を出しました。すると、折り返し謝罪文と菓子折りが送られてきました。ですが、以下の3つを理由に、どうしても口にする気がせず、着払いで返却しました。
1、そもそも菓子折りが欲しくて手紙を出したわけではない。あまりの故障の多さへの抗議である。それに、2/3が緩衝材という、大きく目立つ箱で送り付けれたため、家族から「クレーマー」呼ばわりされ、本当に迷惑した。
2、謝罪文の内容のなさを菓子折りで誤魔化していると感じため。これが最大の理由。宛名・発信日・製品名を書き換えれば誰にでも渡せる内容。「私が受けた被害」「故障原因」「今後の対策」の3点に全く具体性ない。「原因」「対策」は言えぬとしても、「被害」だけでも次のように書いてほしかった。
「お使いいただいた3台共電源が切れなくなる不具合を起こしました。また、交換のため、4回もご購入店へ足をお運びいただきました」
また、社印を押していない。担当者名が名字しか書いていない。「弊社シェーバーに於いて」を「於かれましては」と書く。菓子折りを、注文の商品でもないにもかかわらず、「ご査収」と書く(「お納め」では?)。このように、形式上の不備も多い。
コメントありがとうございました! 謝罪する人の能力未達という点もあるように思います。私の例をお話しますと、◎ブン◎レブンでサラダを買って食べていたところ、中に小さなナメクジが入っていました。別にその部分だけ捨てればいいことだと気にしないで食べ、「一応、電話しておこうか」とケースにあった連絡先に電話したら、その虫を観たいというので送ってあげました。すると電話があり、「目視で見逃していた」との説明がありましたが、切手代もくれないし、謝罪もないし、しょうがないなあ、と思いました。それ以上かかわるのも時間無駄と放置しました。やたらと菓子折りも気持ち悪いものですがこういう例もとほほです。謝罪力が欠けているのだと思います。
食品で異物混入があった以上は、製造元は返金か交換をして、送ってもらった異物の送料を負担するのが筋でしょう。大手コンビニとは考えらぬ対応ですね。
長々書き連ねました私見で、言いたかったのは「菓子折りを渡す=謝罪先の感情好転ではない」です。私は、菓子折りを送り付けられて、かえって感情を著しく害しました。謝罪文を送るだけなら、菓子折りは不要な気もします。
シェーバーの2度目の故障時に、販売店経由で菓子折りを渡れたら、「過分では?」の印象はあるにせよ、受け取っていましたね。渡すなら、タイミングの見極めが必要ではないでしょうか。
企業に意見した際、「中途半端」な対応をされると、余計に腹が立ちます。件の電動シェーバーメーカーも、「文例集切り張りの作り置き謝罪文の送付」か、「自筆礼状を出してしまうほどの謝罪文付き菓子折り送付」のどちらかにしてもらいたかったです。
似たようなことでは、大手中古書店の某店舗の例があります。行くたびに、次のような接客を受けました。
・客が入るごとに天地を揺るがさんばかりの大声で「いらっしゃいませ!」と叫ぶ。
・天井から槍で突き刺されるごとき買い取り客呼び出しアナウンス。
・見ている商品棚に限って押しのけて整理される。
あまりの酷さに、本社あてに上記接客を「三大拷問接客」と指摘し、改善を求めるメールを送りました。すると、本社から「当該店舗から電話したいので電話番号を教えてほしい」との返信。番号を教えたら、店舗責任者から電話がありました。「文庫本の棚とレジが近過ぎるのでは?」「店員の数が過剰では?」と問題点を具体的に指摘しましたが、食いつきは悪かったですね。具体的な改善策を繰り返し強く問うても、答えられず、相槌が全部「申し訳ございません」でした。本社に言われて嫌々電話をしてきたことと、会社と自分を守ることが、ミエミエでした。非常に憤慨して、本社あてに再度抗議メールを出しましたが、返信はありませんでした。本社・店舗相互に対応丸投げです。こんな対応なら、「初めから電話をしたいなどと言うな!」です。通り一遍の謝罪メールで済ませてくれたほうが、よほどマシでした。
ちなみに、私もご指摘の書店にはあの挨拶が苦痛で行かなくなりました。