今の時代のキーワード 1
2010年 04月 01日
子供をベットに縛りつけ、泣き叫ぶ様子を撮影したり、洗濯機やレンジに入れてスイッチを入れたり、馬鹿にえさやったとメールしたりして挙句はゴミ箱に入れ、ナイロン袋をかぶせて密閉し、寒空の下、ベランダに12時間も放置して死なせてしまった。
この夫婦はともに35歳前後。1975年頃の生まれだ。東京オリンピック、万博が終わり日本のGDPがドイツを抜いて世界二位になった。バブルの始まりの約10年前に生まれた人たち。
このニュースを聞いたとき、「何でまた大の大人が?」「実の子に!」「しかも夫婦で!」とものすごく引っかかった。何故、夫婦でそんな鬼畜行為ができるのか?
別の日にショックを受けたのは、Aさん、Bさん、Cさんの会合に一番年の若いDさんが招かれ、その場の支払いを割り勘にする段になって、結婚したばかりのDさんの分を先輩格のAさんが「お祝いにお前の分は俺がおごってやるよ」と言ったら、何の関係もなく、Dさんとは初対面のBさんが「何をいう、割り勘でいいんだよ!」と妨害し、Aさんが「いや、お祝いですから私の気持ちとして祝ってあげたいんです」と説明しても「いや、絶対にだめだ」と言い張り、その場でBさんが一番の年配だったため、あまり逆らえず、仕方なくAさんは割り勘にしたという話をDさんから聞いたことだ。
なんともいやらしい親父じゃないか。自分の腹が痛むわけでもないのに?
その人いくつよ?
74歳。
えーっ!と驚く。
その人はきっと恵まれない人生を送ってきたんだろう。
人が祝われたり、ラッキーだったり、幸せそうなことに対して、
「よかったね」と言ってあげる心を持たない、心の貧困。
気にすることない。
行動はその人の人生の縮図。
そういう人生を送ってきたと、行動、発言で人に告白しているようなものだから。
そういう行動、発言をしなければバランスしないような人生観が培われたその人のそれまでの足跡ってきっとそういわないでおられないような、ツイテナい人生だったんだろうから。
「そういう古老になってはいけない」と教えに来た使いの者と思えばいい。
そんな世界観の違う人とともに天を見上げなくてもあなたの青空を観て歩くべきだよ。
そうアドバイスする。
Dさんはちょっと慰められたような顔をした。
先日、遭遇した、若手がねたましくて足を引っ張らずにはいられないイヤミさんといい、この古老といい・・・・・、どういうキーワードでくくれば納得いくかなと考えて、たどり着いた。
冒頭の鬼畜のような親も古老もイヤミさんも一言でいえば「大人気ない」というのがキーワード。
要するに子供っぽい人たちだから、子供の親にもなれないし、人の幸せに対して親父のような大きな心で接することができない。
子供っぽい人々。
大人気ない人々。
思えば、そうだな、と
腑に落ちる。
今の社会にはめっきり少なくなった大人の心を持った人。
大きな親父
大きなおふくろ
社会にとっての大きなおじちゃん
大きなおばちやん
懐の深い人がほんとに少ない。
加えてプロも少なくなった。
印刷屋に行くと誤植している。
「違うかな、と思ったんだけど」というから、「だったら電話して聞いてよ」というと
「えらいすんません」と謝る。謝るだけマシだが金は満額欲がる。
別の場面で。
プロなら当然、意識しなければならない決まりごと。
客側から「ね、この線、曲がってない?」と聞かれて「あ、そうですね」とやっと気がついている。
さらに別の日。
仕上がりが全く違っているので「何でここまで誤差が出るの? 確認してから納品してよ」というと「確認するのが普通なんですけど、忘れちゃったんですね、今回に限り」というので、「何回目かなー」というと「いけないと思っていたんですけど」という。
「思っているだけじゃ駄目でしょ、現実は違うわけだから。思っていることを実現させるのが仕事でしょ」と久しぶりにぶちきれる。
「そうですね」というが、あんまり悪いと思っていないようだ。預けた物も無くしているし、勝手なサイズにしているし。
13年前、家族の赴任先だったアメリカ南海岸での経験を思い出す。
今回とおんなじ問答をしていて、ほんとに心から驚きあきれたもんだった。
よう、こんなんで金取れるわと。
もちょっと前、日本には大人の人間がもう少しいたと思うし、プロはもっと密度が高かった。
年とって壊れたのか?
若い人の方がしっかりしてる。
年長者にいいお手本少なすぎ。
今の世の中、真摯でプロ根性の人は謙虚で卑下してへりくだってるから、こんにゃくみたいな現実に思い切りへとへとになり、ぐちゃくぢゃに疲れている気がする。
いい加減にゆるく生きる達人も結構だけど仕事の現場では、しゃんとしたい。
総じて子供っぽい社会。
そんな中で、タフにネゴして、ぐちゃぐちゃに絡み取られず、振り払い、突破し、自己核心的に生きて行くことの辛く疲れることよ。
by yoshi-aki2006 | 2010-04-01 00:41 | シンキング | Comments(4)
こいうまっとうな事を言う人が少ないので、読むとほっとします。日経平均が上昇してきて、楽しい時期になりましたが、一番最初に読んだ木村先生の投資に関する著書の言葉は忘れません。それを守っていたので、サブプライム問題もリーマンショックも逃れられました。被害は最小限度です。ありがとうございます。