ちいさなカナシミ

最近、酒を飲む相手を選ぶようになりました。
「この人間と飲んでもむなしいだけ」とか「酒がまずくなる相手」「飲んではいけない相手」が分かるようになりました。

酒場で人は虚言をいったり虚勢を張ったりします。

が、見えてくるのはその人の背中。
その人の足跡。
その人の目の底にある真実。

背中には覚悟が宿ります。
足跡には欲望が見えます。
目の底には本当の気迫のあるなしが光ります。

背中に風を受けてよろけたり、
欲に釣られてふらふらしたり、
できないことをできると自分までだまして生きていたり、

人はいろいろあるものです。

そういう人と飲む位なら野良猫行きかう酒場で一人で飲んだほうがマシです。
猫のほうが人よりよほど立派です。

炎天下を髪の毛をたらした老女が日傘を差しながらふらふら、ふらふら歩いていました。
体はまがり、足幅もちょっとしかすすめられない。
ても彼女はうつむいてなんかいない。
道行く人が気の毒そうに見ていても毅然と前を向いて思うとおりにならない足を必死に動かし、前へ前へと歩いていきました。
彼女の顔には「私は老いてカナシイ。でも、このカナシミを隠したりしない」とでもいうような表情が浮かんでいました。
ああいう老い方も悪くないなと思いました。

妥協しないで生きていく。それにはちょっとしたカナシミが「この生き方も悪くない」「孤独な貴方とともに」とでもいうように伴奏曲を奏でてくれるようです。
気弱に泣く人には聞こえてこない調べでしょうけど。

by yoshi-aki2006 | 2010-07-27 03:25 | 日々雑感 | Comments(0)  

<< 肩書きコレクション 日々息災 >>