三原淳雄さん逝く

三原淳雄さんが2月8日、急性肺炎で亡くなった。享年73歳。
あまり知られていないかもしれないが、日本にファイナンシャル・プランナーのコンセプトを紹介した人で、NPO法人になる前、たしか日本FP協会の創立メンバーだった。

そのFP協会の研修でニューヨークに行ったとき、旅団の団長みたいな待遇で私たちを率いておられた。
「女は仕事なんかしないで早く嫁に行け」みたいなことをよくおっしゃって、旅先で雑誌の締め切り原稿を書いている私のテーブルにもたたたーっと近ずいてこられて、いきなり挨拶もなく「おい、早く嫁に行け」と言われた。

「男尊女卑の考え方をする」「自分は嫉妬深く、僻み根性がある」と講演でおっしゃって、戦争に巻き込まれて不遇をかこった生い立ちから僻みっぽくなったのだ、と冗談めかしておられたけれども、当たらずとも遠からずだったんだろう。

今の70歳代は「もっと自分はこうしたい」のにさまざまな理由で果たせず、若い世代の人がやすやすとやってのけることになんとも言いようのない感情を持ちマグマだまりを抱えたままでいる人が多い気がする。

「おい、早く嫁に行け」とおっしゃっていたあの頃の三原さんの年齢に近くなって、私にそう言わずにはいられなかった当時の三原さんの心像風景を想像する。

3年ほど前も大きなセミナーでファシリテーター役を務められていた。
まだまだやり残したことがありましたか?

腹8分目。相場に勝つセオリーは「あとちょっと、もうちょっとというところで引く」のがポイントですよね。
証券業界に長く身を置かれた三原さんのことなので、「もうちょっと生きてもいいのにね、といわれるうちに引くさ」と笑っておられるかもしれません。

見回せば、老いさらばえてもなかなか見切り千両ができない人の多い中で。

by yoshi-aki2006 | 2011-02-09 10:18 | 時事 | Comments(0)  

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