ダーウィンの悪夢~貧困の悪循環

今から6年前の2006年に大ヒットした映画だからすでにご覧になった方も多いと思います。
私はなかなか見る機会がなく、このたびようやく観ました。
ダーウィンの悪魔

最初のシーンは管制塔とは名ばかりのゆるゆるな管制現場が映し出されます。
職員が雑誌か何かを丸めて入り込んだ蜂を叩き潰そうとしますが、うまくいきません。
このあまりにゆるゆるな管制塔現場が何を意味しているのかは観ていくうちに理解できます。

舞台はタンザニア。

女性ならタンザニア産の宝石を思い浮かべるかもしれません。

そのタンザニアの現実がドキュメンタリーを観るうちにひしひしと身に染みてきます。

貧困とはかくも恐ろしいことなのかと愕然とします。
すざまじい貧困の実態。
食べるに事欠くとはこんな状態なのだと思い知らされます。

日本人としてこの国で飢えることなく生きていけることに心から感謝したくなります。

そして、国として毅然としていないと、こんなことに巻き込まれていくのかということを思い知ります。

先進諸国がしている限りなく傲慢なこと。罪深いこと。欺瞞。

紛争地に武器を売る。飛行機は積荷が空になる。空になった飛行機にタンザニアに繁殖した魚を積んで帰る。国民は何も知らず、魚を輸出する。

多様な魚が獲れた湖は今や輸出用の魚の繁殖地。

地元漁師は漁が不作となり早死にし、未亡人は古来からある職業に身を落とし、エイズにかかり、子供はストリートチルドレンになる。
暴力や虐待の恐怖から輸出用魚に使う化学包装材を燃やした煙を吸い込みもうろうとなり、中毒になる。
食べるものは身を取った後の腐りかけの魚の残骸。
蛆のわくそれを干し、売って生き延びようとする。

貧困の悪循環のすさまじい映像の数々に言葉を失います。
問題解決の手助けをしているのだとしたり顔で語る人たちの何と空しい存在であることよ。
世界銀行とIMFが元凶だとの国民の感想には大きな示唆があります。

貧しきこと、知らないことは恐ろしきこと。
無知、無気力、無主張はかくも人を不幸に突き落す。

日本もタンザニアの人々と通じる部分があるのではないかとふと気になります。
事故の多い軍用ヘリが民家密集地に接した基地に配備されること、
多数の地域地盤に亀裂があるにもかかわらず原発稼働が指令されること
消費税増税が議論うやむやのまま決まろうとしていること。

タンザニアは物理的に圧倒的に貧しいのですが、世界一金持ちなはずの私たち、どこか貧困な国の人に似て、なされるがままの国家運営の不幸から脱せられていません。

そうそう、タンザニア産の肉食魚の主要輸出国はEUと日本だそうです。
その魚が輸出されるまでの様々なツケをEUが払っているとするならばそのうち、日本も?
この世にフリーランチはない、という因果律を信じるならば。

by yoshi-aki2006 | 2012-07-04 21:53 | 感謝 | Comments(0)  

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