経済評論家、一級FP技能士、チャート分析家の木村佳子さんが素敵な明日を迎えるためにお届けする ライフ&マネー メッセージ   ホームページはhttp://homepage2.nifty.com/fp-money/

by yoshi-aki2006

食のカスタマイズ

今、多くの人が目の前の社会よりスマホなどのタブレットを通しての社会に向き合うことに熱心です。
タブレットの中には自分の都合の良い、観たい社会の窓しかないという側面があることは忘れることができません。

ちょちょいのチョイと世界のニュースをチェックして、株取引画面に行き、株取引で誰かの売った安値株、誰かが売ろうとしている高値株を売買して、もうかったらうれしくなり、損したらチェッと舌打ちして、FBで人の様子を眺めたり、自分のアルバムを観たりしてる・・・・。

これってほとんどが社会の自分カスタマイズともいえる状態なのではないかなーと自分のことも通して考えたりします。

そうそう、社会のカスタマイズ化で自分の見たい社会しか見ていないのではないかなと感じる今の世相と無関係ではないと思うことに、家庭における食の問題があるのではないでしょうか。

私は京都の料亭風の薄めの味付けをスタンダードにしているのですが、酒の肴風のおかずが好きな家族からはあまり評価をもらえません。

たとえばカレイの煮つけですが、料亭風ではカレイから出てくるだしを楽しむために、煮汁は酒、みりん、薄口しょうゆとさとう、塩少々です。生姜と木の芽の香りで仕上げるのですが、家族は寿司屋で出てくる酒としょうゆでてりてりになった濃いめの味付けの煮魚を所望します。

確かにあれはあれでおいしいものですが、あれは寿司屋の燗冷ましの有効活用の面も強いと思いますし、日本酒をつねに大量に用意しておくわけではない家庭で、いつもあの味付けの再現はできないと思うんですよね。

我が家ではクリームシチューのクリームはあくまでもまろやかなとろけるような、つまり帝国ホテルの料理長がお作りになるようなものを要求する者がいたりで、ホントに難しいのです。ジャガイモの切り方、ニンジンの大きさ、肉のほぐれ具合までイメージがかっちりあるために、ちょっと違うと「違う」シグナルが発せられます。

すると、時間と材料費用などの最大効果を狙ったにもかかわらず、合格ではないことに、がっかりし、こちらは疲れ倍増! やってられない、と思います。

さて、まあまあ、そんなわけで、相手が食べたい味、見た目、イメージを狂いなく再現するのはものすごく脳みそのエネルギーを必要とするため、年齢を重ねるごとにハードデスクに負荷がかかり過ぎるのを感じるようになり、次第に人のための料理を作るのが苦痛になってきました。

料理を作るたび、ものすごく頭が疲れ、しかもダメ出しされると気分も晴れないため、素材は買っておくものの、味の決め手は家族が自分で決済できるよう、「料理長、決め味タイムでーす」と台所に登場願うことに。

そんないちいち、脳みそが違う相手の食べたいものなど再現、ようせんわ。

というわけで、食のカスタマイズはご自分で、というわけです。
自分でやってみると、そんなにおいしくできないことの自己責任と限界を認識してもらえる。
「これが現実だ」ということを相手に知らしめることができる。

自分の見たい社会しか見ていない人が多い時代。
味や見た目も商業ベースで最大パフォーマンスを堪能し、モンスターコンシューマーと化している人の家庭での正気返りが、これで計れるのではないかと思うのです。


スマホ・おひとり様時代と食問題。
行きつくとこまで行き着く消費者王様時代の末期的状況の家庭での諸問題。

根っこでなんか全部つながっているような気がするのですが。
by yoshi-aki2006 | 2013-04-05 10:26 | 医食同源 | Comments(0)