ビジネスの基本~どこでも通用するビジネスマンになるには?
2014年 09月 02日
最近、人手不足が企業の将来に及ぼす影響を考えて、パート社員や契約社員を正社員雇用に切り替える動きが相次いでいます。
少なくともオリンピック年あたりまではフル操業になると予想される業種が多いので、この経営判断は正しいと思います。
さて、晴れて正社員になった場合などに、当然、張り切って成績を上げようとするでしょう。
その際、気をつけるべきポイントは? どんなことに気をつけたらいいでしょうか?
成績向上は自己評価に直結することですから、達成すれば自分は褒められ、上司の社内での評価も上がり、会社にもとりあえずはプラスなことです。
しかし、考えてみればそれは全部内向きのこと。会社にとっていいことが顧客にとっていいこととは限らない。自分は収入が上がって会社内でも受けがいいけれど、顧客はけして喜んでいないことって実は多いのではないでしょうか。
長期的な視点でとらえてみて、自分の成績が上がっても顧客離れが起こっては本末転倒ですよね。
上司がいやな奴、というケースは自分が褒められることに重きを置き、その積み上げのもとで出世してきた人が役職についているってことが多いように思います。
内向き志向、内向き評価ばかりでやってきた人が上司な場合、顧客への現実的な視線はなく、上ばかり見ていて、顧客志向な現場判断はほぼ期待できません。
そういう会社はだいたいダメになっていきますが、内部の人にはそれがわからないことが多いから、ドマトモなことを発言する人、危機感を訴える人はうっとおしがられてどんどん外に出され、内部は腐っていきます。せっかく社員に成れてもその一員にはなりたくないですよね。
とはいえ、あっと驚く下方修正などをきっかけに、人事が入れ替わるようなことがない限り、なかなか「会社の常識は社会の非常識」という部分の改善はなされないものです。
なので、成績向上はいいことだけど、どこでも通用するタフなビジネスマンとして成長していくには、顧客にとって長期的にいいことなのかどうなのかを考える視点が不可欠といえるでしょう。
顧客がついてきてくれる経営、担当者であることが大切なのです。
怖いのは顧客はすーっと引いていくってことです。現場でガンガン怒ってくれる客は問題の所在を知らしめてくれて、わかりやすくていい。でも、腹で怒っているのに、顔にはあらわさず、すーっと引いて行く客がいます。そして、その数は決して少なくありません。それを一番恐れないといけないと思います。
あ、この店とは今日が最後だな。
もう、この人を指名したりはしないな。
もう、わざわざ時間を作ってここにはこないな。
もう、この人からモノを買うことはないな。
そう思われてしまうことを恐れないと会社はいずれ衰退します。
衰退した会社を振り返ってみると、どの会社も社員が実に内向きで、顧客の立場に立ってモノを考える姿勢が後退していました。
意識は自分の会社での評価と上司の動向に向き、
貰える給料、待遇ばかり気にしていて、
顧客や来訪者のニーズは二の次三の次という対応で、顧客に話すのは自分の会社の内向きの話ばかり・・・。
そんな会社は会社で扱っている製品生命が切れた途端に業績も大失速・・・・・そんなケースが多いものです。
自分の顧客は誰なのか?
自分は何を売っているのか?
それをしっかり見据えて、成績向上と顧客満足を考えたいものですよね。
それをしっかり見据えていればお客さんは信頼してついてきてくれます。
お客さんを持っている人は転職も有利です。
つまりどこでも通用するビジネスマンというわけです。
アナリストでもファンドマネージャーでも、営業職でも。
弁護士さんなどの先生業でもそうです。
あの人となら取引したいと思われるビジネスができればどこででも通用します。
「あの人となら」というのは、信頼されているということですよね。
どの商売にも言えることだと思いますが、仕事や人間関係は人と人との信頼の上に成り立っています。
信頼感は「顧客志向」の視点を持っていることに対する信頼感と、その人そのものに対する信頼感があると思いますが、人として信頼してもらえれば、それに勝るものはありませんよね。
人として信頼してもらうにはまず自分から人を信頼することです。
人はその姿に共感してくれるものです。
人から信頼されていない、と感じるとき、自分の胸に「私は人を信頼しているか」と聞いてみましょう。
類は人を呼ぶのとおり、「どうせ、人なんか信頼できない」と思っている人には同じような人が自分の周りに集まっているのではないかと思います。
人を信じて、人からも信頼される。
顧客を信じて、顧客からも信頼される。
それを基本に据えて仕事を進行できたらいいですよね。
きっと長く続く仕事ができるのではないでしょうか。
私も日々、肝に命じて仕事を進めたいと思います。
さて、またまた始まる講演ラッシュです。
9月3日東京
9月4日四日市
9月5日名古屋
9月9日播州赤穂
9月11日大阪
9月12日神奈川
では、全講演で今までと違った視点でのお話をさせていただきますね。
(日本証券新聞社・個人投資家向け企業IRセミナー会場 札幌)
by yoshi-aki2006 | 2014-09-02 11:58 | ビジネス | Comments(1)