孤独が人を惹きつける

最初、彼女を見たとき、私は完璧に男の心情になった。

やるじゃ-ん!
イカシテル!!!

彼女はスポーツインストラクター。クラブ会員の誰もが利用できる無料クラスだけでなく、有料クラスも持つ人気モノの先生だ。

まず、髪の毛。プラチナに染めてほぼ、坊主狩り。
適度に肉がついた男っぽい体の腰骨にひっかけて着用しているのは黒い網目の透けたスポーツパンタロン。そしてその下には黒のTパック! そのTバックのハイレグカットを思い切り腰骨に引き上げ、股に食い込ませて自縛風に着用。会員受けを狙ってというより、そういう趣味の人なんだろうなあと思わせられる。
上半身にはこれまたボンデ-ジ風の胸だけ隠れた黒い網目のカットソー。
ほぽ裸体といってもおかしくない露出。
このまま、「花と蛇」に登場してもさまになるって感じ。

本人はTバックからはみ出したぷりっぷりの両お尻の肉や胸先だけ隠した桜色の上半身に生徒たちの目が点になって集まっているのを充分意識しながら、ハスキーボイスを張り上げて、男ことばでインストラクトする。その自罰的な有り様とユニセックスさが実にセクシーで、私を男の心情にしてしまったというわけだ。

スポーツ系に時々こうした肉体派、筋肉一筋、肉誇りを通り越した自縛風の人がいる。
精神をいくら鍛えても外からは分らないが、筋肉は鍛えれば応えてくれる。
この単純さに複雑系で疲れた人ははまり、そこに身を置く自分を許せずに罰してみせる。
GO! GO! GO!あ、それッ、それッ、それッ!
コミカルな掛け声でエアロビクスを指導するきっぱりした彼女を見ながら、実はひとりの時は真っ黒けな暗い人ではないのかな? と、思う。
強靭な肉体に繊細な神経。
男体型でありながら心は誰よりも女。


私はこうした人の放つ孤独感に強く惹かれる。
この飛び切りの孤独感こそが人を惹きつけてやまない磁石なのだと思う。
彼女の有料講座が盛況であることがその証明だ。

by yoshi-aki2006 | 2006-06-09 00:48 | 人間考察 | Comments(0)  

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