ショーン川上さん現象のこれから

ショーン川上さんが学歴詐称で出演番組を予定分も含めて降板されたと連日のように報道されています。

ショーンさんとは今から数年前に一度だけお仕事をご一緒させていただきました。大手企業の個人投資家向けイベントで私は単独での株式講演、ショーンさんはその企業の社長さんとの対談という構成でした。

私は当日、イベントが始まる前に名刺を交換させていただいた程度のかかわりでしたが、低い声のトーンがなかなか素敵で、外見もあのとおり。色が浅黒く、スレンダーで割と小柄。
印象に残っていたのはショーンさんを起用されたスタッフさんらしき女性たちに非常に慕われていた点でした。

代理店さん系だと思いますが、女性スタッフさんたちは「ショーンさん、ショーンさん」と仕事慣れた感じで話しかけられていましたし、皆さん、ショーンさんと仕事するのが楽しそうでした。

代理店さん系の女性スタッフさんと二言三言お話させていただいたとき、「司会でよくお願いしているんですよ」みたいなことを聞きました。

もう一つ印象に残っているのは私が自分の講演をばりばりに盛り上げてしまったので、それを受けて社長対談というのはとてもやりにくい流れだったにも関わらず、淡々と司会進行もかねて場を務めておられた点でした。

イケメンであるのに悪目立ちせず、安全運転で社長との対談をうまく盛り上げて場を締めておられた点で、彼なら仕事を任せられると代理店系の人たちに人気があったのだろうと推察します。

いやがおうにも流れていく時間に「もしも、あの時」という「もし」は言っても仕方のないことですが、ショーンさんが学歴や経営コンサルタントの経営数字を詐称していたとして、司会などのイベント仕事をしている時には、ご本人は「(はったりとして)盛ってる」感覚だったんだろうな、と推察します。

男も女も司会者は老若男女たくさんいます。
アナウンサーだった方やアナウンサーの勉強をした人、
大学時代に放送研究会に入ったりして、ちょっと勘所を抑えている人などなど。

結婚式の司会、イベントの司会などなど仕事もバラエティに富んでいます。
そんな司会仕事の中でちょっと箔をつけようとして盛っていくうちにだんだん、デコレーションが派手になっていったのでしょう。

そして、ご本人も詐称と「盛り」の差の見分けがつかなくなっていったのでしょうね。

ショーンさんが仕事をしていたフィールドではある程度の「盛り」が必要だったんだろうと推察します。
その線引きのセンスにおいて、さじ加減を間違えてしまったというところがホントのところではないのかな。
「詐欺と営業の差」という新書がありますが、「詐称と盛りの差」と相通じる部分があります。

メディアで明かされていくショーン川上さんの「詐称」と「盛り」は冷静に考えるとコメディチックにすら感じられます(こんな経歴なわけがない、「盛り」もしくは「ジョーク」だと気が付かなきゃのレベルでは?)が、荒括りすると、要するにみんなが自分最適化を掘りすぎてむえかた帰結だと感じます。

ショーンさんは効率よく他の司会者より条件のいい仕事を取る自己最適化において、「盛り」を「詐称」レベルにまで引き上げすぎて「許される」均衡点を超えてしまった。

マスメディアはイケメンで声もよく、年齢的にもちょうどいい年恰好のショーンさんに司会をやらしたら、ウケるんじゃないかと考えて起用を決めた。ショーンさんなら、文化人ギャラ枠で使えるというギャラ面での効率もあったのでしょう。
英語もしゃべれるならグローバル時代にうってつけ。しかも、高学歴留学組にありがちな鼻持ちならない奴ではない点でもGOODだったんでしょう。

池上彰さんみたいに経済や経営分野も語れるならいいんじゃないか的な判断があったんだろうと思います。

ギャラとルックス、条件もろもろでショーンさんは実にコスパがよかったんでしょう。で、蓋を開けてみたらレモンだった!

どの人もこの人も自分最適化にいそしんでいる今の時代。
メディアの使い方次第で自己盛りが自在にできてしまえるため、アカロフのレモンの経済学みたいな状態になっているのです。

そんな都合のよい人は世の中にはそうそういないにも関わらず、お互いのコスパ感覚で出会ってドン! アカロフのレモン状態の世の中。。。ネットショッピングで経験する「あらま!」と似てる。。。

考えてもみてください。ルックスはともかく、掲げておられた経歴、学歴ならすでに企業の社外取締役を何社も務めているはずだし、その年俸だけで十分暮らしていけるはず。なので、メディアという過酷な現場仕事からは次第に引いていくはずなのです。

現場で腰低く務めてくれて、ギャラもそこそこで満足し、過酷な現場もいとわない高学歴・高収入でルックスのよい人みたいな使う側に都合の良い人材はそうそういるものではないと思います。「いるほうが不思議」という点で週刊文春が調べ始めたのでしょう。


さて、ショーンさん。48歳で全仕事を自粛してこれからどうしていくんでしょう? まだ、若いし、人生は長いです。

いい声、そつのない司会ぶり。

ベッキーさんにしても、清原さんにしてもそうです。
けつまずいても
人生に再チャレンジできる世の中でなければならないと思うのですが。

by yoshi-aki2006 | 2016-03-21 16:24 | シンキング | Comments(0)  

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