ホメオステイシス

NHKの「課外授業~ようこそ先輩」という番組に囲碁の梅沢由香里さんが登場。
囲碁の楽しみを後輩に教えたあと、プレッシャーについての講義をした。

彼女はお父さんに囲碁を教えられ、ずっと「由香里ならできる!」と期待を掛け続けられ、そのプレッシャーがあって肝心のここ一番で負け続けたそうだ。そしてお父さんが亡くなった後、プロ試験に合格。しかし、今年、負け越し、正念場を迎えている、という。

親に過剰に期待を掛けられた人、可愛がられすぎた人がここ一番の時に腰砕けになる例は私もたくさん見聞している。

親にいい顔を見せたい。誉められたい。やっぱり私の娘、息子だと言われたい。子供はそれを望みながら、それが試されるとき、強いプレッシャーに悩まされる。なぜだろう。

ダメだったとき、親ががっかりするから? お前なんて私の輝かしい娘、息子ではないと言われるから?

人間には表と裏があり、表の顔が親に愛される輝かしい自分だとすると、裏の本音の自分は、そんなこと抜きにまるごと愛してほしいと望んでいて、表の自分に「裏の自分も愛してよ」と訴えかける。だから、表の自分はその訴求に驚き戸惑い動揺し、変なことをわざとしてしまう。そんなメカニズムがあるような気がする。

中小企業の社長は「自分の持っている潜在的能力を開花させるのは倒産の危機に直面したときだ」という。
なるぼど、好きな人に振られてモーレツにきれいになる人がいるが、ノーといわれて眠っている能力が呼び覚まされることがある。
幸せ馴れで人間が傲慢になったリ、腑抜けになるケースと、ノーと拒否されて
「なにくそ」というエネルギーが出るのは表裏一体なのだろう。

人間は生き延びていく知恵としてホメオステイシス(恒常性の維持)を無意識に働かせる。
幸せが続くとわざとそれをぶち壊すようなことをしてしまうのは自分の生きる力を呼び覚まそうと無意識に選択しているからだ、と私は思う。

不幸の極みにも希望を見出す。

ホメオステイシスを信じて生きていく。
人類はそうして生き延びてきたのだ。

by yoshi-aki2006 | 2006-08-06 07:28 | 人間考察 | Comments(2)  

Commented by hikosaka at 2006-08-06 19:03 x
今日から高校野球が始まりました。残念ながら昨年優勝の横浜が初戦敗退です。大阪桐陰が勝ちました。やはり関係のあるチームを応援しましょう。例年は高校野球が始まると相場が安いと言われましたが、、、近年は、、、
Commented by hikosaka at 2006-08-06 23:00 x
長野田中知事敗北、長野関連K.N建設に期待したい。

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