美容師で成功するのは考えてみれば非常にむつかしい~それでも美容師になる人に

美容師さんに憧れる人は少なくない。
なってみたいな、と私も10~20歳代の時に思った。

が、よくよく考えて「向いていない」と思った。
例えば、お客さんに叱られたとする。
ああ、すみません、とすぐ対応し、お客さんを納得させ、笑顔で帰せるか? そしてまた来てもらえるか?

私には無理だ(;^_^A  「気に入らないんだったらこなけりゃいいじゃん! お金いらないから帰ってください。二度と来なくていいです」とか、
言ってしまいそう(;^_^A

いや、言うだろう(;'∀')

すると他のお客さんも見ているから「あら、あの美容師さん、成長できないわね」とか思うかもしれない。するとお客さんが減る。店は廃り、収入が減り、結果、成功できない。ということで断念しました。正解だったと思います(;^_^A。

腕はよくても基本的には接客業なので、自分の技術をどうお客さんに評価してもらうか、ということが来店という結果につながらなければならない。そしてそれが継続し、自分もスタッフも食べていける状態にならなければならない。

持続可能なビジネスにしていけるか、この点で美容師さんで成功するにはなかなかむつかしい。

思い出してみると、行かなくなった美容室は何件かある。
立地の問題。
美容師さんに問題がなくても立地が不便すぎていく気力がなえてしまったお店も何件かある。
年齢が高くなって特に、駅から遠いからタクシーに乗っていかなくてはならないお店からはだんだん足が遠のいてしまう。
立地は持続可能なビジネスとして家賃が安い場所を求めた結果だろう。立地がいい場所だと施術料金がどうしても高くなるからねえ…。痛しかゆし。

接客の問題もある。
腕はいいけど超有名人のお客さんがついている美容師さんの自慢話を毎回聞くのが辛くて(相槌とヨイショにつかれる。寝かせてくれ~)、目の前にあるのに、いかなくなった店。
美容師さんの腕はいいけど、若いスタッフが力任せにシャンプーするのが辛くて行かなくなった店。これは割と多いかも。年齢の高い女性間で「ね、若い子。怖いわ~。シャンプーされる時」と共感しあう。先生はいいけど、アシスタントが無機物を洗うかのようにシャンプーする店はNG。タオルドライの時も「雑巾で窓拭いてんじゃないぞー」といいたくなるのをぐっと我慢してしまう。いうと雰囲気悪くなるのを一応、こちらも考えるわけだ。しかし、残念なのは、いいアシスタントに限って辞めちゃうし、ってことね…( ;∀;)

予約の問題。
美容師さんが店経営の観点から、お客さんを途切れ目なく入れてしまい、「行きたいな」という時に予約が取れない店からも足は遠のく。
「レジが閉まらないくらい札であふれかえってしまった時代があった」とはバブル期全盛時代の美容室経営を体験した美容師さん。何人かから異口同音に聞いた。
そんな美容室を経営していた一人のAさんは、雑誌に載ったことから予約が取れない店になってしまい、連日の大繁盛。常連さんの予約を何回も断る羽目になり、常連さんから「そう、今日も予約取れないのね。ほかを探すわね。元気でね」と三行半を突き付けられたという。
その美容師さんはその時、「ああ、自分のお店は斜陽に入るなあ」と直感的に思ったそう。実際、その後、蹉跌が待っていた。だから雑誌に載るのは良しあし。飲食店で雑誌に載らない名店があるのはこういうことがあるからだと思う。

このようにいろんな理由で、行かなくなった店が何軒かあるわけですが、行かなくなった理由って何年か経つと忘れてしまうんですよね。
で、すっかり忘れて「ああ、そういえば、あそこには長い間、行っていない」なんてつい予約を入れてしまう。
で、やっぱり「あ、どうしてここに来なくなったか思い出した・・・」ということを繰り返します。

先生は人柄がよく、予約も比較的取れやすい。
でも、かぶれやすいのにパーマや毛染めの際に顔回りに保護クリームを塗り忘れ、「塗りますか? まあ、いいですよね」なんて澄ませてしまう。アシスタントさんの対応だったけど、先生がちゃんと確認してくれればいいのに。こっちも「クリームを塗ってほしい。それ、マストだよ」といわなかったから悪いんだけど、案の定、激しくかぶれました。
すると当面、足は遠のきますね(;^_^A

耳にドライヤーの風でびっくりさせたり、あり得ない高熱でドライヤーワークしたり。
顔の肌をコームでこすったり、工程を省略して、シャンプーをしなかったり流したりなかったり、生乾きだったり。
カットが「あともう少し丁寧に点検して」という完成度7割で次の客が気になっていたり。仕事を忘れに行くのに、しつこく聞いたり、トークが過剰、不適切だったり。
ベテランでもお客が嫌だなあ、と思うことをしてしまう。人間だから仕方がないんだけど。基本的には美容技術がまずあり、接客と一体化してちゃんとできるのはホントにごく少数だと思う。

結局、ベテランでもNGなことをしてしまうのは脳疲労、肉体疲労が過酷な現場が連日、長時間続くから。

1年ほぼ300日ほど立って施術し、相手にソリューションし、接客し、金勘定もしてアシスタントに給料を払い、家賃材料費を払い、家族を養い、店を回していくのってものすごくむつかしい。

来てほしい上客はほかの店との取り合いだし、美容師で成功するのはホントにむつかしいと思います。
だから成功している美容師さんはごく少数じゃないですか。
天才、スーパースターな人は病気で早逝気味だしね。

みんな憧れて美容師になり、いろんな場面で挫折、離脱があり、それでも残って仕事を続けていたとしても難題だらけ。
それでも目指す、続けるには情熱も大切ですが
どんな仕事にも通じる成功法則は究極的には運、根、鈍かも。

こつこつできることをする。その繰り返しの努力の日々。

私もハイ、営々黙々と継続こそ力なりと励むべく(⌒∇⌒)

★9月24日札幌で講演します。
ユウチュウブで生配信され、しばらくアーカイブに残ります。
良かったらご覧くださいね。
9月24日(金)<札幌> 日総工産、エスプール 会社説明会 株式評論家 木村 佳子 氏 による株式講演会 | 日本証券新聞 (nsjournal.jp)








by yoshi-aki2006 | 2021-09-17 07:55 | ビジネス | Comments(0)  

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