お礼と発見! 今のネット系投資家には目からうろこだ!
2006年 09月 26日
今日のような日にご来場くださる方はホントにコアな人々。
質の高いセミナーになったと思います。
ただ、私は非常にびっくりしました! ものすごく勉強になりました。
どういう点がって、今の20才台の投資家さんでかつ、ネット関連株に興味のある人の中には私がこれまで知っている日本人とは全く異質な人が混じっているということに気が付かされたからです。
私は顔の見えない聴取者相手のラジオ・キャスターを通算15年ほどやってきましたので、番組のみならずセミナー、対談で「多分この点は聴取者の中に分らない人もいそうだな」と思える部分には相手に失礼にならないように、自分が聞きそびれたふりをしたり、あるいは初耳だというふうに「すみません、今の話はなんとおっしゃいましたか?」と聞きなおしたり、「××? なんですか? それは食べ物の名前ですか?」とジョークのようにして聞きなおすという手をよく使います。
すると、これまではほとんどの人が「良くぞ聞いてくれた。自分もその部分は聞きたかったのだ」と歓迎してくれていました。
しかし、今日いらした若いお客様の中にホントに少数でしたが、「そんなことも知らないのか?」というふうにとらえて「そんなことも知らないで何だ」みたいな人がいて、
「うわー。私の日本語や会話が伝わっていないよ」と深く考えさせられました。
救われたのはセミナー終了後、「木村さん、みんなが高度な質問ばかりするんで聞けなかったんだけど、こんなことを質問したかったんだ」と投資家さんの一人に声をかけてもらえたことです。
その方を主催会社の社長さんにおつなぎしました。納得のいくご回答を得られて満足して帰っていただけたことが今日の良かった点でした。
しかし、とぼけた振りして聞く手法が通じない。ごく少数ではあってもそんな投資家が若い世代にいることはとてもショックでした。「そんなことも知らないで」と非難される。
まじめな方なんだろうと思いますがジョークなども通じないようです。ジョークといえば以前、
舌が回らないふりをして「ろーにゃくなんにょ、オヤ、舌が回らないわ」「ろうじゃくダンジョ~」といいましたら、「日本人の癖に漢字の読み方も知らないのか」と女性名でお叱りのメールをいただいたことがありました。
私は「もちろん存じていましたがジョークでした」とは返さず、「ははあ、さようで。ありがとうございます」と返信し、相手の方が気分を害さないように自分なりに配慮しました。しかし、この時も「ああ、通じないジョークは口にしてはいけなんだ」と思い、ちょっと寂しく思いました。「ひょっとしたら私を面白がらせようとして、あの人、あほなジョークをかましたのかな」という発想を持たないその人の人生観にです。こっちは「あなたが喜んでくれるとおもってさー」とおなかを出してごろにゃんしているのに正しい知識が「正」、喜ばしたいというこちらの謙譲に「否」と反応するコミュニケーションの断絶にも。そんなツールしか持たない自分にも。
最初は面白かった人がえらくなるに従いだんだん当たり前の言葉しかいわなくなる背景にはこうした言葉の行き違いをたくさん経験するからなんだろうと推察します。
私だけが勝手に「これは面白いはず」と口にした言葉が通じない。これは関西人であるという私の出自にも関係していると思います。関西では自分や身内を卑下して、「うちのやどろくが」とか「うちの亭主が」「うちのカカアーが」とちょっと口悪くいうことが一種の美徳とまではいえませんが、謙遜、謙譲で自分を下にして相手に花を持たせるような会話がよく交わされます。
これが通じない人にはこれまでたまに遭遇しました。
しかし、今日のIR説明会で社長さんが「インサイダーになることはいえません」とおっしゃっているのに、私に対しても点数が辛かった若い投資家は容赦なく「歯切れが悪い」というような非難をアンケートに書いているのです。行間を分る、想像する部分がないんですかね。
もう一人の若者は「なぜ、チャートを出して説明するのだ、なぜ会社情報を持ち出して説明するのだ、時間の無駄」という。IR説明会でチャートや会社情報の情報がないほうが不親切だと思うのですが・・・。別の人はチャートを出してほしかったという。私はその人の要望のほうがまともだと思いました。
いずれにしても、私が知っている投資家さんとは違う未知の若者投資家がいることだけは間違いないようです。
今日、ご来場くださいましたお客さまの多くはネット関係者、関連企業にお勤めでアメリカのネットITビジネスの事情にも詳しい非常にコアな人々が多かったように思います。
比較ドットコムが一円企業からスタートしてネット広告で利益をえるビジネスモデルで上場する時代。単に本業は主婦、会社員、投資をちょっと楽しんでいる、あるいはリタイアして株が趣味という私のよく知っている投資家とは異質の、投資を起業とも密接にとらえて考えている人々。
自分も比較ドットコムのようにIPOを夢見ている野心家。
そんな若者に頼もしさを感じるとともに、とはいえ、Eコマースも幅広い人間相手で成り立っているビジネス。
自分とは違う言語体系を理解する頭を持ってほしいなと感じました。
自分だけ聞きたいコアな話をさくさくっと聞いて、後ろのほうに座っている方には何を質問してやり取りしているのか分らないようでは私の役割としては困るのです。
私は後ろのほうに座っている人、ホントはもっと聞きたい知らない話だけど、自分からは「聞きなおしたい」といえない人々。そういう人にも納得して帰ってもらいたい。
そういう「みんなが分るようにという公益」も理解してもらいたい。
もちろん、私も今日、若い世代には違うアプローチが必要と痛感しました。
知らないふりをして聞くことがネガティブにとらえられるのはとっても残念ですし、私がジョークと思っていても伝わらない相手がいることも考えさせられました。
今日はホントにいい刺激を受けました。
私は草木でいうと蔦。自分でもあきれるくらい非常にしつこいので、通じない相手に届くまで木村佳子節を吹きまくってやろうという作戦もありです!(ファイト!)
やる気を起こさせてくれるのは、いつもワカランチン! 感謝しているよ!ありがとう!
by yoshi-aki2006 | 2006-09-26 22:43 | 感謝 | Comments(17)
感心して「それだけ分析力があったら本が何冊もかけますね」と褒めたところ、彼は一言。「そんなくだらないことには興味がない」…。
唖然。目の前には、株の本を書くことや編集することで家族を養っているひとが何人も居たというのにです。
「くだらない」と思うのは、その人の感性であり自由ですよ。でも、もう少し社交性も持ち合わせていないないと…人間社会って意外に難しいものですからね。
必要最小限のワードでびしっとそこにたどり着けるラルゴリズムを身につけたいと思っています。これからもよろしくお願いいたします。
木村佳子
確かに駄洒落はいけませんでしたねえ(深く反省!)
しかし、オーバーチェアの話が分った投資家はあの場で何人いたでしょうか? また、wさんのように下調べするのが投資家として理想ですが、そうでない人もいるというのが私の話の前提です。
もちろん、そういうにまで分るように話す必要があるのか、時間の無駄だろうというご意見は承りました。ラジオキャスター時代のなごりかもしれません。どんな投資家にも分るように分るように話すということがいいことか悪いことか今一度考えてみます。
まことに失礼ながら前列にお座りの白いシャツのイケメンさんでしか?それとも中段にお座りのカーキ色スーツの方でしたでしょうか? それと企業価値で考えるという点は同感で、セミナーではそのようにお勧めいたしております。私がかの会社に興味を持った点はビジネスモデル以外では、役員さんらの人的資質というか、非常に静謐で緻密な印象の方がいらっしゃる点です。そして、人がみな明るい。これは魅力です。
木村佳子
しかし、誰しも逆の立場に立って考える機会が訪れると思います。
私も他者の講演に潜伏取材で行き、改善してもらいたい点があれば意見を書きますが、相手が分る言葉でその理由をきっちり書く努力はします。読み手の気持が分るからです。
しかし、よしよしと頭をなでられるより、たたかれたほうがモーレツにエネルギーは出ます。なにくそ、と思いますし、モチベーションが高まりますよ。その点では非常によい刺激を与えてもらいました。
満足度100、いや120%となるよう燃えています。エネルギーを呼び寄せてくださったWさんに感謝しています。wさん、多分あのカーキ色スーツ、黒いネクタイ、白シャツの眉毛の濃い30歳台後半のかたではないかしら?
後方の男性が社員のモチベーションを上げるための取り組みを聞いてくださったのもよかったんです。
いや、まさか白シャツのイケメンさんとは知らず、すみません。でも、ま、入合い抜きのように対談などは一瞬の勝負なので、イケメン氏のオーバーチュア質問の時にもっとあの部分を突っ込んでも良かったですよね。確かに。また、今日は嘘のように夕方は天気回復でそういうタイミングとかいろいろな要素を入合い抜きのようにえいやえいやとモノともせず、最高のできで運営していかないとならないのが私の仕事です。いろいろきずかせてもらってありがとうございました。おかげさまで、いろいろな面ですんごい大反響で、私も大変勉強になりましたし、先方さま、開催者さまも喜んでくださいました。
今後とも引き続きブログ拝見させていただきます。
ありがとうございました!
ネット系の会社、社長が外国人の方であまりジョークを言わない方、
というように司会の方には難しい要素が多かったように思います。
そんな中で、オーバーチュア→おばちゃん
やられました。
また次回のセミナーを楽しみにしておりますので、
よろしくお願いいたします。
全くお恥ずかしい限りでございます。時々やってしまうんです。いちびりってやつなんです。ホント皆様の貴重なお時間をスミマセンでした。ヤフー掲示板にちゃんとご質問の内容とご回答を貼って置きました。皆様に正しい情報をお伝えしたいと思っております。
また懲りずにお付き合いくださいませ。
木村佳子