新興市場株を塩漬けにして困っている投資家さんへ

こんな話を参考にしていただければと思います。

1990年代のある年に四国に講演に行きました。そこに地元名士の社長さんがお越しでした。その社長さんに「木村せんせ。NTT株を買い値ベースで一億円持っています。どうしたもんだか」と相談されました。

私はこう答えました。「社長、NTTを半分処分して、ヤフーと楽天にしたらどうですか?」と。
すると社長さんはなんて答えたと思いますか?
「ヤフーとか楽天なんて株じゃない。私にとっての株は日立であり、東芝であり、NTTなんだ」と。

当時はそんな投資家さんばっかりでした。お金持ちのちょっと年配の人はみんな異口同音にそんな感想だったのですよ。「ヤフー? 楽天? なにそれ?」みたいな。ヤフーや楽天のビジネスモデルが理解できる人は日本国民のほんの数%だったんですよ。

その後、ヤフー、楽天はレアものから普通の普及モノに。株価は人々に社名が認知されるたびに分割なども含めて大いに上昇し、やがては大きな市場に昇格し、名前も全国的に知られ、今では街のじっちゃん、ばっちゃんまでもが知っている超有名企業です。

今では、そのじっちゃん、ばっちゃんからこう質問されます。
「木村せんせ。もうソフトバンクはあきまへんのか? 楽天は上がりまへんか?」と。

今日のアフリエイトビジネスの会社のIRセミナーで感じたことは、コアな投資家、アフリエイトビジネスがよく理解できる投資家ほど、今、私が書いたような需給に関しての視点が希薄だということでした。

質問項目としてはビジネスモデルや競合相手に関するピンポイントな専門的な話が重要なように思われがちです。
確かに競合相手や戦略、業績の見通しの話も大切ですが、株価が上がるには一般投資家に広く社名、ビジネスモデルを知られることです。

コアな投資家がいくら特定の新興株を好きで有望視しても、既にそういう人はホルダーなのです。だから、どんなにピンポイントに話を聞きおおせても、それで株価が上がるわけではありません。大切なのはマイノリティの動向ではなく大衆の動向なのです。

大勢のミーハーな投資家が「いい!」と賛同したとき、新興市場の株は前述のヤフーや楽天のような展開になります。
それには分りやすい話でIRを続けることです。
専門家、玄人はだしのホルダーばかりでは株価はけしてあがれません。

少数派が理解できる状態でなく一般人が分ること。
それが株価変貌の重要な要素です。
その点が分れば、塩漬けもまた違った味わいになることでしょう。

by yoshi-aki2006 | 2006-09-27 01:45 | シンキング | Comments(0)  

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