時間の病

「××しようよ」と誘うと必ずNO、と返す人がいる。

「今、ちょっと」
「後で」
「それはどうかな?」

その人が断る理由はいろいろある。
長年の観察の結果、「こういうタイプの人は物事が進んでいくことに対して全てNOで返すんだな」と気が付いた。

物事が進んでいくことに対して強い恐怖心を持つ。「自分は未来社会で失敗すると思う」「自分はそれを受け入れると損すると思う」「自分にとってその提案は不利だと思う」「人の提案はよかれと思って提案してくれているわけではない」。その人はそういう認識なのだ。だからNO。自分は現状のまま、今のまま、ここにいるというわけだ。

現状のほうがその人にとってはわけの分らない未来より、利益があるように感じられる。

進んでいく時間に対する病なんだな、と思う。

一方でお構いなしに、何でもイケイケの人がいる。
あの人がやってるんだから私も。
今ブームだから僕も。

消費はこういう人によって支えられている。
誰かの真似をする人。ストーカー。流行は突き詰めればストーク行為。
「あの人みたいになりたい病」はストーカー心理といえよう。
この人も時間という切り口では一種の病である。

体内時計や地球時計、自然界の時計の中での自分の時間がわからない。
幻想としての「人」にタイマーを置いて、追いつけ追い越せを目差す。
自然という大きな時計の中で蟻の時間を見ているに過ぎない。

株式市場を「時間の病」「時間の錯覚」という切り口で見ていくと非常に興味深い。株価がどこまで上がるかは突き詰めると不確実な話である。
傾向は把握することができるが、人にとって株価の上昇は「花見」と一緒で「行こう」と思っている間に低気圧接近で花=高値は散ってしまう。

そんな不確実な価格形成に対して、高値で売りたい、安値で買いたいと思い続けるのは努力目標としてはよいと思うが、多少さめていないと「病」の領域に入るのではないか。

不確実な世界で確実な成果を上げるには?
「時間の病」に取り付かれるのではなく、時間と欲望の接点で散る火花を上手に利用すること。

もっと早く気がついていればよかったことではあるけれど、気がつけてよかったと思う。

by yoshi-aki2006 | 2007-04-02 14:00 | 人間考察 | Comments(2)  

Commented by ココナッツ at 2007-04-03 22:12 x
>不確実な世界で確実な成果を上げるには?
>「時間の病」に取り付かれるのではなく、時間と欲望の接点で散る火花>を上手に利用すること。

>もっと早く気がついていればよかったことではあるけれど、気がつけて>よかったと思う。

いいことをおっしゃいますね。
私にとっては黄金の言葉です。
長年、こういった世界におられる木村先生の含蓄のある言葉です。
いいお言葉をありがとうございます。
Commented by yoshi-aki2006 at 2007-04-03 23:48
ココナッツさま

いや~、お恥ずかしいです!
意味不明と敬遠されるかと思っておりました。
賛同してくださる方がいて励まされます。
ありがとうございます。

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