見下し型人間

いちいち怒らない。が、許しているわけではない。今回はそれを書こう。
今から22年くらい前。超大手証券の役職についている、その道では有名な人にインタビューに行った。そのとき、初対面のその人はうんざりした顔で、腕時計をはずし、自分の見えるところに時計を置いて「30分だけだよ」といい置いて、めんどくさそうに話し始めた。目が泳ぎ、話には全く身が入っていない様子がありありだった。
お前みたいなガキに話すことなんかないんだよ。
俺が相手にするのは大新聞か有名機関投資家の外国人、大企業だけ。そんな風に思っているように感じられた。

なんて失礼な人かしら、と当時の私は思った。
そして、二度とその人のところには取材に行かなかった。
後年、その人は何かの引責で名誉職を追われた。
その記事を見て、「誰もこの人をかばわなかったんだろうな」と思った。
私と同じ思いで新聞記事を見ている人がこの世にたくさんいるだろう、とも思った。

その会社出身の人は大体において「×社病」だ。話はたいてい、昔の大自慢大会。そして、選別をする。大会社の人には名刺を出すし、外資系などにはすごく愛想がよい。
が、フリーの人間などには、鼻も引っ掛けない。あからさまに大企業の人とそうでない人に態度を使い分ける。
「アンタに名刺を出したところで、私によい仕事が来るわけではないだろう」と。
ま、そういわれれば、こちらは顧問料を払える立場でもないし、社外重役として招く規模の会社を経営しているわけでもない。
たぶん、こういう人は、中小企業の人にも名刺を出さないんだろうな。

最近も「教授」と名乗る×社出身の人に会った。
どんな功績をあげ、どんな華々しい経歴の人でも失礼な人に変わりはない。
こういう人は人間として、尊敬しない。
業界向けの本の監修をし、もっともらしい肩書きを名乗っていてもだ。
昔なら、多少は傷ついたと思うが、今は、
「あ、こういう卑しい考えの人だって早く分ってよかったな。この人の本は絶対に買うまい」と思う。教授なら若い人を導くのが務めだろうに、人を社名で差別するとは教師の風上にもおけない。

彼らはそうした態度が場合によっては人の気持を傷つけ、それがどれほど後を引くかを知らない。世間知らずなんだろう。

こうした思いを稀にするので、私は個人投資家さんから「名刺をください」と言われると必ず出すようにしている。彼らが電話をかけてきたり、非常識なことをすることはまずない。信頼して名刺を渡せば相手もこちらを信頼してくれる。
それが名刺を切るということなのだ。

まあ、いいよ、いちいち怒らない。だけど許したわけじゃない。
「失礼人間リスト」「生涯許さない人間リスト」。そういうものを作って、「俺はがんばってきたんだ!」という人がいた。私はそこまではしない。だけど、許しはしない。

いちいち怒らない、かかわらないのが人生の処方箋だと気がついたぱかりなのに。
「許さない」ということは「怒っている」と同義語だ。
「怒っている」ということは「かかわらない」の反対で「かかわっている」。
全く、矛盾しているよ、ホントにね。

さっさと忘れて寝ることにしよう。

by yoshi-aki2006 | 2007-06-06 22:33 | 人間考察 | Comments(4)  

Commented by hikosaka at 2007-06-07 11:31 x
高校時代に柔道部に入り3年間練習した。入部当時先輩にしごかれた?いじめ?しかし我々も3年生に成った時は先輩達の真似はしなかった。「人の振り見て、我が振り直せ」を思い出した。
会社を離れても看板を下ろしても、今まで同様に声を掛けて頂ける、有り難いことだと思っている。驕る事なかれ、と思う
Commented by yoshi-aki2006 at 2007-06-07 20:51
企業の名刺、肩書きに挨拶している人とその人本人に親身になってくれる人はおのずと違いますよね。よい人間関係をお持ちなのはご人徳です。
Commented by 亮子 at 2007-06-08 08:07 x
相手を許せない(憎んでいる)うちは 
相手に支配されているのである。 by ヨハネパウロⅡ

例) あの人は こっちが挨拶しても 仕返さない。
   頭にくるから むこうからするまで こっちも してやらない!
  ⇒ これだと 相手が 挨拶するまで 自分が自分でなくなる。
     バカらしいでは! 他がどうであろうと、自分は
     おはようと 言おう。
It is not my problem but his,
こう思えば 腹も立たない。
それは その人の問題であって 私のではない。
私は私らしく。文化の違いとでも 思えばよい。
外国人なら そう思ってゆるせるのでは?
なら 同じ髪・目・肌のひとでも そう思って許そう。
嫌いな相手に 無理に頬づりしたり 握手しなくてもよい、
自分は自分と割り切ろう。

と 10年ほど前 岡山ノートルダム女子大学の学長、
シスター渡辺の講演会で 教えていただきました。

なかなか 実行に移すのは難しいけれど折々に思い出し、
ウギャーッ!!と発狂しそうになる自分をなだめる話です。

長いコメントになって ごめんなさい。
Commented by yoshi-aki2006 at 2007-06-08 08:57
亮子さま

まさにそうですよね。よいメッセージありがとうございます。
そんなことがあった夜、鏡を見ると目の奥が炎上していました(笑)。

私も若いよなぁ、クスッということで、スルーしなくちゃと思いました。

また、いろいろ教えてください。ありがとうございました!

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