K大将の話

Kさんは今は鬼籍に入っていてこの世にはいない。
でも私の心のスクリーンに時々登場し、「おい、元気か?」と語りかけてくれる。
Kさんは若い人を何人も抱える大将だった。
若い人に実に思いやり深く接し、何人も使い物になる人材に育て上げた。

人の心をつかむのがうまく、目上の人にも好かれる術を身につけていた。

ずんぐりむっくりとしていて、けしてイケメンではなかったが、女の子にはよくもてた。

そのいい人で通っていたKさん。年に一度くらい、めちゃくちゃに大暴れする日があった。
飲んで自分の店でイスを放り投げたり、むちゃくちやをする。
止めに入った部下の人も投げ飛ばされる。

「そんなことさえしなければホントにいい人なのに!」とある日Kさんに言ったら、彼はウインクして
「こういう日をわざと作るんだよ。すると、みんなは俺のことを単に好々人物だと思わないだろ?」
と言った。

確かに。「わしはえらいんじゃ」というより100倍、効果的。
畏怖を覚えられることも人を使っていくには必要だ。
暴れないまでも、ふっと一言何かいうとか、たまには××をまくるとか。
「あの人、いい人~」だけではなかなか世渡りは難しい。

by yoshi-aki2006 | 2007-08-15 09:23 | ライフスタイル | Comments(0)  

<< 日生劇場地下 春秋ツギハギ 新丸ビルで・・・ >>