佐野洋子さんエッセイ集「覚えていない」

佐野洋子さんの「覚えていない」(マガジンハウス)は1人こっそり、おせんべいでもかじりながら読むのにぴったりのエッセイ集である。

佐野さんが「100万回生きた猫」の作者と知ったのは最近のことで、こうしたエッセイ集があることも知らなかった。私よりお姉さんで、ひょっとしたらお母さんの世代かも知れない。

本は彼女が50歳代の頃の思いをまとめたものも含まれる。

佐野さんのイワンとすることはよく分かる。

「そうだな」と思えること、得心がいくことがたくさんあった。

ずっと結婚しないで、おいしいところばかり食べてきた独身女性が佐野さんと佐野さんの息子、ガールフレンドと食事していたとき、突然、「私には家族が居ない」と泣き出す。佐野さんは「おいしいとこどりしてきた責任を取れ」みたいな感想を書く。確かになあ。

佐野さんが息子を必死で育てていたとき、件の女性は不倫しておいしいとこ取り人生を満喫していた。佐野さんは「自分の人生に責任取れよ」と総括する。同感だ。

結婚は大いなる勘違いで始まり、離婚は正気に戻ったときに訪れる。これもけだし名言である。

ちょっと年上の女性の話はホント面白いや。

人への猜疑心と嫉妬心で年中もめている三流メタボ爺の集団みたいなところで仕事している人は「こんなお局が居たら職場も楽しい」と思うかも。

by yoshi-aki2006 | 2009-03-24 16:06 | アンテナ | Comments(0)  

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