スペイン舞踊の巨匠アントニオ・カナ-レスさん&鈴木敬子さんinカデーナフラメンカ
2012年 07月 16日
というのも鈴木敬子さんがスペインに留学されていた時に舞踊のメンターとして存在感が大きかったアントニオ・カナーレスさんが、敬子さんのスタジオでいわば友情出演をされるからです。
アントニオ・カナーレスさんといえばスペイン・フラメンコ界の最高峰を極める超大物。まあ、日本でどなたに例えればいいか、想像もつかないのですが、美空ひばりさんと五木ひろしさんみたいな超大物なのです。
そのアントニオさんがタブラオしつらえの敬子さんのスタジオで踊るというのは、なんとも素敵なサプライズです。
最初、敬子さんも「え? ここで踊ってくださるの?」とびっくりされたそうなのですが、かつてスペインで踊った仲間が日本で立派にスタジオを運営されているその姿にエールを贈りたいということで実現したスーパーライブ。お二人の厚い信頼関係がベースになって実現したミラクルです。
舞台を拝見するたび、様々、学ぶことが多いのですが、今回の舞台では鈴木敬子さんの師弟や仲間に対する思いやりの深さがにじみ出たものでした。
ゲストを招かれる時はご自身の炸裂パワーの出し方を非常に配慮されることは前のカンタオーラの大物とコラボレーションされたときにも感じましたが、今回もアントニオ・カナーレスさんにいかに気持ちよく踊ってもらえるかに気を使っておられることが舞台の質の良さとしてしっかりと観客に伝わり、それがダンスから得られるエモーショナルな感情とは別のモノとして私たちの心をノックします。
最初、カンテのアルティスタとアントニオさん、敬子さんが舞台に登場したときからやられたーともう敬子さんにメロメロです。
この舞台を実現させることができる彼女に感動を覚えずにはいられません。
次にはカデーナフラメンカのえりすぐりのバイレが踊ります。超一流のプロと同じ舞台を踏める奇跡にバイレの皆さんのステップも心なしか特別に思えました。
よかったね、この奇跡を共有できてこちらもうれしいわ、との気持ちを感じました。
そして鈴木敬子さんのソロ2曲。
アレグリアスには郷愁が、
ソレアにはより一層の深い哀愁が込められ、心を打たれました。
それにしてもバックのアルティスタ5人と観客をここまで乗せまくる彼女のパワーに感服しきり。
そして、その姿に自分が照らされるのです。
あなたはこのように人を乗せまくるパワーを発揮していますかと。
アントニオさんの踊りは今回、初めて拝見しましたが、スケールの大きいバイラで、闘牛場のような場所で踊られても、その存在感たるやさぞや、と思えるものでした。
バイレとして舞台監督、プロデューサーとして、そしてカデーナ・フラメンカの主催者として、マルチフルなパワーを発揮されている鈴木敬子さんの今回のスタジオ・ライブ。
踊りもさることながら、各所に配された気配りに心を打たれたいい公演でした。
私が拝見したのは追加公演だったのですが、ほかの日は完売と伺っています。しかしながら、せっかくのアントニオ・カナーレスさんと鈴木敬子さんのコラボ。是非見たいという方は事務局にお問い合わせを。リンクを貼っておきますね。
16日までです!
ちなみにクルシージョといって短期に学ぶレッスンも特別に設定されていますので大御所の指導を受けてみたい方もお問い合わせされてみてはいかがでしょうか。
by yoshi-aki2006 | 2012-07-16 08:28 | アンテナ | Comments(0)