見返り美人?

夜道を歩いているとき、背後に気配がすることがある。
振り返ると誰もいない。
しかし、いつもその地点で必ず気配を感じる。
そしてその気配はしばらく私に付き添ってくる。
おばあさんのような、静かな気配である。

そして、ある地点までついてくるとすっと消えてしまう。


以前住んでいた地域でもある一角に差し掛かると必ず背後に付いてくる気配があった。
誰だろう?
振り返ると誰もいない。
毎晩そうだ。
毎回そうだ。

ついてくる気配は温かい雰囲気のモノだ。
悪さをするわけでもなさそうである。
「また、付いてきてるよ。私はもう家に入っちゃうからね」
そう念じると
「はい、分りました・・・」
とすーっといなくなる。

駅から15分も歩く家に住んでいた頃のことだ。
満月の夜、「またついてきてるよ」と思った。
見返すと背後には誰もいなかった。
坂道に差し掛かり、小さなお地蔵さんがある一角に階段があった。
そこに一灯、街路灯がある。
階段を下りようとすると影が2つある!
背後に誰かいるんだ!!
心臓が高鳴って、思わず足を速めた。
階段を降りきったところで私は背後を振り返った。
頭髪の短いTシャツにジーンズの30歳くらいの男が立っていた。

なんだ、人間じゃないか。あーびっくりした。お化けかと思ったよ。
と、安心した途端、男は私に襲い掛かってきて、私を押し倒し、あろうことか思い切り服の上から乳をもんだ!
野郎! 何をしやがる!!! 私は怒り爆発(あったりまえだ!!)。
成敗してくれる! 今度は私が講演で鍛え上げた大声を張り上げてタックルだ。
男は後姿からは想像も付かなかった私のフロントの様相にびっくり仰天。
怒髪天をつく不動明王に負けじとも劣らないすさまじい怒りの形相と憤怒の炎、雷もかくやととどろく雄たけびに度肝を抜かれたらしく、一目散に逃げ出した。
ま~て~~~!!!
追いかけること数百メートル。途中でおっかけに参加してくれたアベックと一緒に大捕り物だ。

その話を聞いて腹を抱えて笑った仕事の担当さんは
「先日、出会い系でデイトの約束をした相手を待ち合わせ場所の近くから観察したらオカマちゃんだったな」
ってアンタ、どういうオチを付けようとしてるのよ、と思ったが、よい薬になったはずだよ。
その痴漢には。後ろ姿が女だからって、女にもいろいろいるからね。

以来、私も背後の気配には気配と侮らず何度も見返るようにしている。
幽霊よりも生身の人間のほうが何倍も悪いことをするからね。

by yoshi-aki2006 | 2006-05-10 18:54 | 事象観察 | Comments(4)  

Commented by 亮子 at 2006-05-11 06:55 x
いかん、
今度から ラジオでお声をきいても テレビで拝見しても
著書を読ませていただいても
脳裏を 今日のブログがよぎり 話に集中できなくなってしまう!!
Commented by yoshi-aki2006 at 2006-05-11 08:48
亮子さん
もっともっと面白い話をたっぷりこのブログでお届けしますからね、お、た、の、し、み、に!!!(^^;) 
木村佳子 
Commented at 2006-05-11 11:43 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by yoshi-aki2006 at 2006-05-15 00:14
ご心配頂き恐縮です。
その地域は畑が多く、準工業地域でもあり、猫の住まいを探してそこに落ち着いたのですが、いろいろよい経験をいたしました。今度からおおせのとおり、キーワードを叫びたいと思います。木村佳子

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