お金で買えないものはたくさんある!~財産はお金だけではないですね
2014年 08月 21日
でも、ようやく最近、「お金で買えないものはたくさんある」ということに納得しました。
それを実感として感じたのは農家さんの近所に引っ越した時のことです。
ご近所の皆さんは農家さんから採れたての野菜をしょっちゅう購入されていました。
若気の至りで、私も当然、買えるものだと思っていました。
で、お金を持って売ってください、と買に行きました。
その場にいたご近所さん数名となんとなく、ちょっとだけですが、最初、気まずいような空気感があって、野菜は手にしたものの、若さゆえ、腑に落ちない気持ちで家に帰りました。
それからもちょくちょく野菜を買わせてもらいましたが、微妙な感じがあって、どうしたらその微妙な空気を解消できるかなーと考え、お茶の葉を持って農家さんに挨拶に行きました。
すると奥さんが「どうしてこういうものを下さろうとするのですか?」と真面目な顔をして聞かれるので、「ごあいさつをと思いまして・・・」とお返事し、辞して家に帰りました。
「何でこの空気を超えられないのかなー」と思いつつ、仕事が忙しかったので忘れてしまいました。
ある日、お隣の工務店の大将が「昔はあの農家さんはよそ者には絶対に野菜を売ったりはしなかったんだよ」とよもやま話のついでという感じで教えてくれました。
そうなんですね。今なら、そのことがよくわかります。
当時の私はお金を出せば何でも買えると思っていたんですね。それがきっと我知らず、態度に出ていたのだろうと思います。
今の事務所の近所に隠れ家のような割烹があり、非常においしいのでちょくちょくランチや夜ご飯を食べに行きます。そこの大将とは事務所ビルの管理組合の理事同士として最初、面識を得ました。
最初は顔見知り程度のお付き合いだったのですが、ある日、内容は忘れましたが、理事会で私が発言したことを大将が何故か気に入ってくれて、「是非、うちの店に来てくださいよ」と言われました。
で、行くと、大将のお仲間がいて、いろいろ聞かれました。世間話みたいな問答でしたけれど。
それから、そのお店に来てヨシ、の仲間に入れてもらったようです。
そのお店でも、世の中にはお金では買えないものがあることを教わりました。
そのお店は数名で満杯になるために行く前に必ず「行ってもいいですか?」と電話をかけるのがお客のマナーとなっています。
それと、毎朝、築地に買い出しに行かれる大将のライフスタイルを貫くために9時でさらっと帰るというのもお客のマナーなんですよね(後で知りました)。
FBなどに素晴らしい料理の数々の写真をのっけたりもできません(知らないお客さんが大量にやってくるのを避けるためだそうです。
ある日のこと。
試験も終わったし、久しぶりにおいしいものを食べたいな、と思って「今から行ってもいいですかー」と電話すると、「今日は私の誕生日でみんな仲間が来てくれているんで満杯なんです」
とのこと。
「9時までフル稼働ですか?」(と、なんとか席を確保しようとするワタシ)
「今日は誕生日なんで9時にはさくっと終わりたいんです。いつもなら、おそめに来てもらったお客さんでも入ってもらうんですが」
お金では買えないものがあると知るのはこういう時です。
そこのお料理は手ごろな価格で本格的なので是非食べたい。
でも、ルールがあって、それを守らないとダメなのです。
「じゃ、また、出直します」と電話を切り、こういうことがお金で買えないものなんだと納得している自分に
ふと、わずかながらの成長を感じました
このお金で買えないものこそ、生きるべき人生の大切な要素なのだと思います。
お店屋さんはお金さえ出せば喜んでくれる場所、ではないのですよね。
お店屋さんは一国一城の主。
そこに出入りするにはマナーが必要で、そのわきまえができる人が人と人との付き合いができるってわけです。
ちゃんとした人としてのわきまえを持っているかどうか。
それをお互いが確認して、あ、この人となら付き合えるというスタートラインに立てるのですね。
それはどんな相手にも通じることではないでしょうか。
それがなく、ただ、打算や下心や利害だけでとらえると、利用したり使用されたり、という美しくない世界になっていくように思います。
そういうことをもっと早くに知っていれば、人生違っていたかもな、と思いますね。
入所以来、ずーっと年長者の「俺がエライ」「嫌、おれのほうこそ」と理事長の役職とお金を巡っての争いに終始していたあの協会での本当に空しかった20年間もなかったかもしれません。
モノやお金や肩書や。
そういうものが優先するこころでは絶対に手に入れられないもの。
そういうものと出会えれば億の金を儲けた、出世したより、味わい深いものを手に入れた成功者だと思います。
by yoshi-aki2006 | 2014-08-21 02:57 | アンテナ | Comments(3)
ですが、なかなかそこまでの気持ちになるのは、難しいですよね。。。