金子兜太さん著書「他界」
2015年 02月 25日
詩には深い味わいがあり、アニメの示唆する意味がしみじみ胸に響きます。
こんなことってあるんだろうと思います。
人生は魂の旅路。
今生はたまたま女性としてこの時間世界に生まれ落ち、両親という因果のもとで人生がスタートし、舟を漕ぎ始め、自力他力でどこかにたどりつき、どの時点かで躯を脱ぎ捨て、あの世に旅立つわけですが、次には因果律によってまた人に生まれるかもしれないし、砂漠のラクダに生まれるかもしれない。
そこでその躯でまた、舟を漕ぎ、どこかにたどりつく。
そういう意味では人生はつかの間の露でありながら、転生し未来永劫、生成が続くものだろうと思います。
この世を必死で生きるとしても、達成できないことは来世に積み残して、別の乗り物の躯の宿題としてまた向き合えればいい。
この世で遭遇したことはこの世だけで完結できると思わず、「自分はこう思い、こう対処したよ」と言えればいいと思います。
自分がどんなに頑張ってもでき得なかったり、わからなかった積み残しの部分は次の人生の宿題として、別界で引き続きする仕事だと思えばいいのではないかしらと。
この世で完璧を目指すことに血道を上げずともよい。
この世で与えられた宿題をしっかりやる。
やり遂げる目的はその宿題から解放されるため、無念を晴らすためともいえると思います。
前生では成し遂げられず、無念だった思いが今生に宿り、宿題として向き合うのではないかしら。
そして積み残したぶんは来世で無念を晴らす。
そんなふうに思えば、楽せず無理せず頑張れる気がします。
さはさりながら、華麗なる加齢現象で次第に外見のみならず、中身もおぼろげになってきます。
このおぼろげな感じは現世と来世の境界にたどりつこうとしている現象ではないかしら。
先人はその境界をどう過ごそうとしているのか?
今から2年前に金子兜太さんの素敵な言葉と題して書いたブログが御縁でこの本を読む機会に恵まれました。
うれしいな。
by yoshi-aki2006 | 2015-02-25 10:55 | アンテナ | Comments(0)