そういうことだったのか! パナソニック人事抗争史
2015年 06月 01日
おまけに水も漏れるため、カスタマーサポートの人に来てもらい見てもらいました。
とても感じのいいカスタマーサポートの方でしたが、音と水漏れ問題は解決せず、その後、畳は腐り、階下にも漏水し、本当に困りました。
しかし、天下の松下製品。
設置方法に問題があるのかなーとあれこれ試しみているうち、別メーカーの製品に刷新。
さて、その当時の松下にはこんなことが起こっていたのか、とわかるのが「パナソニック人事抗争史」(岩瀬達哉氏作)で実に興味深く、読了しました。
うちだけではなくほかでも大騒音問題は発生していたのだと確信できましたし、経営不振に陥った顛末はなるほど、そういうことだったのか! とも思いました。
株主、消費者の存在よりも「なんであいつが」という人事抗争がまかり通り、大切な経営資源を無駄にし、ビジネスチャンスを見誤ったのですね。
もったいないなあ・・・・・。
ビジネスの見地から絶対に推進すべき事柄でも「気に食わないあいつが推進した事業だからつぶすんだ」なんて株主、投資家からするととんでもないことです。
ま、人はそもそも非合理的なもの。いや、経済行為自体が人の非合理的判断から発生するもの、といえるのかもしれません。
そういえば私の住まいの近所に見事な庭園と家の中に能舞台があるという古民家がありました。四季の折々にはお庭の草木が花をつけ、借景として日々楽しませていただいていました。
ところがいろんなご事情からその古民家は人手に渡り、その隣のまだ十分にきれいで素敵な小規模マンションまで壊してワンルームマンションを建てるのだという建築計画を聞き、
「人間ってバカなことするなあ・・・・」
と思いました。
ワンルームマンションなんて立地上、とても難しいのに。
こぎれいな小規模マンションですら人が入居しないので人手に渡ったのに、リサーチしないまま、家を壊し、マンションを壊し、ワンルームマンション????
別の区画でもまだ新しいとても立派な建物が壊され、24時間パーキングになりました。解体工事の親方たちが「中はすぐ使えるくらいきれいだよ。もったいなさすぎるなあ」とおっしゃっていました。
なんでまだ使える豪華な建物を壊すんだろう?
そう思いましたが、これも「壊したらもっと価値が上がる=儲かる」という判断のもとでなされた行為でしょう。
連日の工事車両の作業音を聞きながら、「施主はまさか損するとは思わずに工事に着工しているのだろう」と思います。
松下電器の人事抗争もその当時は「これがベストな人事なのだ」と周囲が納得して勧められたのでしょう。
何千億円もの資源を投入し、社長が交代すると、前社長の路線は粛清とばかりに大損してでも撤退する決断がなされる。その損失も「それがいい結果を生む」と信じられて進行したことなのでしょう。
ユニバーサルスタジオも当初は松下がやる事業のはずが、やらない。プラズマに入れ込んで液晶で出遅れたことも立派な学歴、職歴の人達が決定したにも関わらずコケテしまった。
根本に「あいつが気に食わない」「気に食わないあいつの提案は聞き入れられない」との思いがあったのではないか?と考えさせられます。
これは松下に限ったことではなく、どこの会社にも大なり小なりあることでしょう。
特に成功体験を持つ会社ほど、人事抗争ゆえのつまずきがあるように感じられます。
シャープも、ソニーもかつての成功体験から次のステップに進めませんでした。
経営判断と人事抗争。大組織の難しさですね。
投資する時の会社の見方の参考にしたいと思います。
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by yoshi-aki2006 | 2015-06-01 02:31 | アンテナ | Comments(0)