観光立国の夢と現実

各地に出張が続き、その界隈の観光地にも足を伸ばす機会がありました。
観光立国という国を挙げての取り組みの最中、現地はどんな風になっているのかしら? そんな興味がむくむくわいていたのです。

さて、今回行ってみたのはここ!
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とても歴史の深い温泉地ですよね。私は大阪で育ったのに、両親から話を聞くだけで、一度も行ったことがありませんでした。
よく新幹線の新神戸駅を通り、行こうと思えば行ける場所らしいので、前々から「どんなところなのかなあ???」と興味津々でした。
今回、やっとこの地に来ることができて、さまざまな偶然に心から感謝です!

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駅から程近い場所には涼しげなこんな場所もあります。

ただ、新神戸から思っていたほどには近くはありませんでした。それと、地下鉄の場合、乗り換えが2回あるのがちょっと不便かも。
新神戸駅からバスも出ていますが、時間が読めないと心配かもしれませんね。その場合は、乗り換えは不便ですが、地下鉄がいいと思います。
さて、現地。
ネイティブな私でも、ちょっと足の便が悪いかなと思うこの地に、続々と中国人、韓国人、台湾人、欧米の旅行者の姿が。
そして、押し寄せる日本人客と外国人客で現地の飲食店はどこもかしこもてんてこ舞いのご様子でした。
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甘味屋さんをかねたお蕎麦屋さんがあったので、入ってみると、3人の年齢の高い女性たちが客の注文に忙殺されていました。
お席は子供ずれの家族で一杯。
立ち尽くしていても、生ビールを作っている最中のお店の人は「ちょっと待って・・・・」といいながら、どうにもできない状態です。

気を利かせて「二階に行きましょうか?」というと「二階はクーラーをつけていないのですが・・・」と恐縮され、「いいですよ」と上がっていくと静寂な空間が・・・。

すぐにおそばが運ばれてきたので、「あ、食べる前からお味がわかるわ~」と思ったとおり、お味のほうは、
たぶん手が回らなくて、都度都度、そばを茹でる時間もなく、てんぷらも衣に火が通るまで番ができないか、油の温度が低すぎて、ちゃんと揚がらなかったのだろうと思います。

早々に食べて、奥をふと見ると厨房には若い女性が一人で黙々と甘味を作り、飲み物を入れ、3人の高齢女性がてんてこ舞いで運び、片付けているという状態が続いていました。

お勘定をするときも濡れ手でお札を受け取る、という状態で、本当に忙しく、ばたばたって感じだったんです。

何もここだけがそうというわけではなく、観光地で大手資本が入っていない場所では大なり小なりこうした展開になっています。

だいだい観光地で何らかの営みをしていらっしゃるのは家族経営であることが多く、つい最近まで、デフレだ、不況だ、円高だといっていたのですから、さびれていたのです。

そこに急激に観光立国だ、円安だ、と人がわわわわーーーーと押し寄せてきているので、
「えっ? うそ、何これ???」と現場で精一杯対応しようとしているのが観光地の現状といえます。

家族経営で高齢化。
設備は老朽化。
自分たちの代でぼつぼつしまいにしようかな、そう思っていたところ、

振って沸いたような観光立国化。円安。

ばたばたになるのもうなずけます。

観光地は奥地であったりするので若手を雇用するのはなかなか難しい。
過疎化しているから働き手は確保できてもおおむね高齢者。

設備投資するにもなにも、家族経営で今迄来たのでいきなり、近代化、現代化といわれても・・・・、というのが正直なところではないでしょうか。

だれもが星野リゾートの星野さんになれるわけではありません。

これだけ外国人が押し寄せてきているのに、ある観光温泉地では何処もかしこも日本語表示だったり。

「フランスだってフランス語でしか書いていない場所、多いよ」という意見もあるように、何も中国語、韓国語、英語表記をしなくても、という考え方もあるようです(有馬温泉では韓国語、中国語、英語表記の温泉はありました)

観光立国っていってもまだまだだな・・・・・・、というのが各所を回った私の感想です。

もっとも、だからこそ、ビジネスの源泉があるわけですが。

というわけで、さあ、また仕事です。
次の講演先は

●8月20日(木)13:00~16:00 受付・開場12:30
ひろぎんウツミ屋証券
会場:ホテルサンルート徳山 別館3階「銀河」
山口県徳山市(交通:JR山陽本線徳山駅 新幹線口から徒歩2分 )
山口県周南市築港町8-33 Tel.0834-32-2611
入場無料
定員:100名

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暑さに負けず、がんばりますよ~。
ふるってご来場くださいね!

by yoshi-aki2006 | 2015-08-11 17:55 | アンテナ | Comments(0)  

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