やればできる! 社会人大学院でMBA 卒業までの道のり

今年もあと3ヶ月半・・・・。早いものですね。

9月下期入りのこの時期は、今年、立てた一年の計、どこまで達成できたかしら?
今年中に達成できるかしら、と検討してみるといいと思います。

私もまだまだやらなければならないことが満載ですが、達成できたこともいつくかあります。
その一つが2つ目の大学院の卒業です。

私がフルに仕事しながら社会人大学院に通ったことを知っている人からは、時々、
「僕も行けますかね、大丈夫ですかね?」と相談を持ちかけられます。

【よくある質問】
①仕事を持ちながら通えますか?
・・・授業に物理的に間に合う場所から通うなら、大丈夫。名古屋などから新幹線で通っていた人も居ましたよ。ちなみに私の場合、一つ目の大学院は自宅から15分で通える点が決め手になりました。立地も重要な選択肢だと思います。

②仕事と勉強の両立はできますか?
・・・・大丈夫ですよ。私ができたくらいだから。

そう、答えるようにしているのですが、いろいろ細かいことをアドバイスすると、
まず、一つ目の社会人大学院(多摩大学大学院)では修士論文が卒業案件でした。

もし、修士論文を出すタイプの大学院に行く場合のアドバイスは
最短2年で卒業する場合、あらかじめ修士論文で何を書きたいか、しっかりリサーチして研究計画書を作成し、いつ何をするなどの大まかな計画を立ててから、大学院に入り、すぐ、修士論文を書き始めるくらいのほうが社会人はスムースに卒業までたどり着けます。

そうではなく、何か新しいネタ探し、あるいは人脈を広げに大学院に行く場合は、ずいぶんと当てが外れると思います。

それらが目的なら、果たして大学院がその目的にふさわしいか検討が必要ですし、大学院の選び方をしっかりしないと、卒業は難しいと思います。

私が最初に行った大学院では確かに、異業種交流が盛んでしたが、それに重点を置くと修士論文を書くという点で、後々、非常に困ると感じました。

2年は長いようで実は意外とあっという間です。
飲み会、交流会に精を出すと研究が行き届かず、後で本当に苦しみます。

とはいいつつ、修士論文も伴侶もモノにするツワモノも少なくありませんでしたが。

★ポイント★
修士論文で書きたいテーマをあらかじめまとめてから社会人大学院に行くこと。

 もうひとついえば、学びたい教授を選んで、その先生の本や論文をたくさん読んでおくのもお勧めです。講演を探して聞きに行くのもいいですね。所属しておられる学会での発表を聞きに行くこともいいでしょう。

 こうして目的を明確にしておけば、働きながらでも修士論文を仕上げ、卒業できますし、研究が仕事にも生かせると思います。
博士課程前期課程を設けている大学院であれば、勉強が好きになって、後期、さらに研究を深めるために別の大学院で博士号挑戦という道も開かれます。

私はあまり研究対象を絞り込んでいなかったので、今から思えば最初の一年をあまり研究に費やせず、もったいなかったなと思いました。
そして、後半の一年、なおもモタモタしてしまい、結局、修士論文を仕上げるとき、とってもきつい追い込みを体験しました。このときの体験は今思い出しても、「ああ、辛かったなあ・・・・」と思います。修士論文をバイク便で大学院事務局に届けた後、新幹線に乗って出張に行ったのですが、新大阪どまりの車両の中で掃除の人に起こされるまで昏睡してしまうほどでした。
最後の最後はそれくらい、くたびれ果てたのですが、めでたく、修士論文は審査に合格し、経営情報学修士の学位をいただくことができました。付け加えると、この大学院を卒業するまでに仕事を休んだことはありませんでした。

専門職MBAの学位がいただける2つ目に通った大学院、早稲田大学大学院ファイナンス研究科は卒業案件は修士論文ではなく、1科目全講義が終わると15講義目が試験というスタイルでした。

他校から赴任してこられた先生の多くは「社会人大学院で試験で評価ですか?」と驚かれるのですが、どの講義もすべて試験です。最低24科目の試験にパスしないと学位はもらえない点と、1つの科目を5回以上休むと、自動的にその科目は取得不可になります。

遅刻、早退も30分しか認められません。また、遅刻、早退は二回で欠席一回とカウントされますので、ここでは在学中、仕事を断らざるを得ないことが再々ありました(コレがとっても辛かったです。一人親方社長なので、自分が仕事を引き受けないと事務所の売り上げは減少します。仕事を引き受けないイコール収入低下、シェアの後退になります)

この厳しい出欠カウントと試験日頃が自分の仕事のオンシーズンに被ることも辛かったですね。
12月は授業も佳境。しかし、仕事も佳境になり特に1月中旬から2月にかけてや、5月連休明けから7月一杯くらいが私の仕事の超繁忙期なのですが、そこに毎回、試験日がぶつかるのには参りました。
出張を伴う14現場、15現場での講演をこなしてドン! 翌日、試験というときはさすがに頭が回らずに試験の出来が悪かったりしました。

一番辛かった思い出は、試験日と仕事のオファーがぶつかった時でした。期末試験は午前中。講演のご依頼は新幹線乗車を伴う場所で午後2時からでした。どうしても、ということでしたので、仕事を選び、試験は捨てました。もちろん単位取得には大いに影響が出ましたが、どちらが大事かと考えるとやはり仕事が大事でした。

私は2科目程度のことでしたが、ある人はその期のマックス受講量である8科目すべてが仕事で受験できず、半年間受けた講義の成果が出せず、本当に気の毒でした。

在学中、もっともうれしかったことは、あるときは65名中15名しか単位をもらえず、ABC評価でAとBにしか単位がこないという難関講座でAをいただいたことでした。文系講義ではA+をいただけてもこの出題範囲が広く、評価の厳しい講義を他の7教科の単位取得も抱えながら、半年で突破するのは至難の技に感じられました。

理数系の人やアナリスト試験に合格した人なら簡単なようですが、微分などの知識を必要とするこの授業では難しさと課題の多さに蕁麻疹がでるくらい悩みました。

でも、がんばった甲斐があってAをいただきました。教授は「この科目が取れない学生はファイナンス研究科に2年居る意味がない」とおっしゃっていただけに感慨もひとしおです。

こうした試験系の大学院は理数系の知識を問われるケースが多いと思いますので、経済を文系文脈で理解しようとしている人には難しいと思います。かくいう私も経済を理解するには、数学力が必要だということがわからなかった一人でした。入試面接のとき、この難関授業を課す看板教授に当たったのですが、「数学、数学、数学ですよ。大丈夫ですか?」と念を押されたのでしたが、後でその言葉の意味を痛いほど、体感することになりました。

が、そうした勉強は銀行、証券、不動産、保険でキャリアを積んでいきたい人、企業でファイナンス系役職者を目指す人にはお勧めです。実際、金融業界の人が多く、学部から上がってきた人の内定先も銀行などが多いです。

さて、時間とお金を費やして、社会人大学院に何を求めるかですが、人それぞれ、その目的があるだろうと思います。
私が2つの大学院で手に入れたかったものは「わかったつもり病からの脱却」、「長いキャリアから何か偉い人になったつもり病の検証」です。
長年、社会人として仕事をしていると、年もとり、若い人の層の広がりの中で「先輩」として立てて貰える機会も増えます。私のような仕事ではどこに行っても「先生」と呼ばれるために、「何か偉い人になったつもり病」にかかりやすくなります。

もし、自分の子供のような年齢の人と机を並べて勉強しなかったら、その病に犯されていたかもしれません。

世の中には要領のよさで仕事や役職を獲得していくタイプの人もいます。
ポジショニングがうまい人です。
そういう人は最短距離で有力者と知り合い、その人脈から理事や取締役などに引っ張り上げてもらったり、果ては政治に首をつっこんだり、と出世していきます。
もちろん中身が伴い、人から「この人こそ」と押されて出世していく人も多いと思いますが、はたから見ていると要領でよいポジションにつき、やすやすと既得権益を手にしているように見えることがあります(実際はどうかわかりません。が、はたから苦労なく見えるケースのことだと思ってください)

「あの人、何で?」 と思えるような、ポジショニングだけがうまく見える人を見つけると人はついついその人の「その世渡りの巧さ」だけにフォーカスして、自分も要領よく、そのポジションを手に入れようと効率性を追求したくなりがちです。

そういう気持ちに傾くのを封じて、正攻法で世の中で仕事していきたい。

これでもか、と大学院に挑戦したのは、要領のよさだけで仕事しそうになる業界人的処世術を自分に封じる意味もありました。

それと、長い社会人生活の中で、「勉強するってどんな風にすればいいんだろう?」ということがわからなくなっていましたが、試験、試験、試験を突破しなければ卒業できない大学院で、勉強ってどういうことだったかを少し、思い出し、体得し直した気がします。


社会人大学院でもまれたおかげで、何か偉い人になった病、わかったつもり病、業界人的処世術優先の誘惑の予防ができたのではないかを喜び、アウトプットのためのインプットが一段落したので、今度はインプットからアウトプットの質を高めていくことを念頭に仕事していきたいと思います。


迷ったら行ってみたら? という言葉を社会人大学院に行こうかどうしようか迷っている人に送りたいですね。

矢沢永吉さんのコマーシャルのフレーズでしたっけ、やっちゃえ!  跳んだモン勝ち志向で!

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★やればできる!
高校は一年しか修了していない私。大検で大学入学資格を取り、生まれて初めて受験した武蔵野美術大学を17~20倍の難関を突破し合格。
その後、社会人生活を経て多摩大学大学院でMBAを取り、2013~2015年通った早稲田大学大学院ファイナンス研究科を修了。専門職MBAの学位をいただきました。数Ⅰしか学んでいなかった私は大学院数学に戸惑うことが多かったのですが、為せば成る!
また、MBAを取るまではどんなにすごいものだろうという畏怖を感じていましたが、恐れるに足りず!
これまた、為せば成る!

いえることは、学歴があってもなくても資格がなくともMBAに畏怖を感じず、自分を信じて堂々と持論、正論を社会のルールから逸脱せずに持続していけるかです。

「やるのは自分だ。他者ではない」を胸に頑張りましょう!

by yoshi-aki2006 | 2015-09-06 01:26 | スタディ | Comments(2)  

Commented at 2015-09-12 12:10 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by yoshi-aki2006 at 2015-09-14 04:33
50分の講演に行って、180分の宴席になりました(笑)。

人気講師をこれだけ長い時間、出張の合間に独占でき、しかも心尽くしの席を設けてもらえるのは日本広しと言えどhさんだけで、まさに日ごろからのご愛顧とご人徳ですね
(^^)

快気祝いということで、ささやかな宴席を設けさせていただきました。お楽しみいただけたとしたら幸いです。

お気楽に見える仕事かもしれませんが、ほとんど採算度外視で、様々な主催意図を考慮し、顧客満足を目指して吹けばどぶような女一匹でございますが、日々、命を張って仕事しています。

今後ともいい話ができるように研鑽に努めます。おきずきの点がありましたらご教示くださいませ。

いつもは次の出張に備えて、駅弁でも買い、一目散に現地入りするのですが、温かいものをいただく機会が得られたことは良かったと思います。

仕事が詰まっているため、次にお酒を口にできる日は卒業祝いのパーティまでありませんので、私も久しぶりにビールを口にできました。


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