切れる老人とマニュアル新人のギャップが引き起こす危ない世の中
2016年 04月 08日
学生気分が抜けていないビジネススーツ・ビギナーは何人かで公道に林立し、しかも顔がにやけているので、「あ、新入社員なのだなあ」とすぐわかります。スーツはビジネスマンの戦闘服のようなものだから、それを来たからにはビシッと行動や所作も決めたほうがいいと思いますが、ま、みんな最初はまごまごしてしまうものですよね。
彼らが「若い林」「若い群れ」とすれば、歩行スペースで突然立ち止まる人、いきなりUターンする人などは何に例えればいいでしょうね。
エレベータの登り切った場所で突然立ち止まった若い女性に後ろから続いていた人たちは思わず将棋倒しになりそうになっていた光景を思い出します。
本当に危ないですよね~。
スマホ見で人が勝手によけてくれると思って自分ペースで歩く人などもいます。基本的に「公共」より「自分最適」を優先し、自分の世界しか見ていない。
前は、いちいち、「危ないなー」とか注意喚起していましたが、もはやそれも追い付かず、障害物競走と心得て目的地まで気を抜かないようにしています。
さて、最近、切れる老人問題が指摘されています。
こういう例は本当に気の毒ですね
「今まで温厚だった人が急にブチ切れ老人になった」というケースも最近、耳にしたばかり。
老人病であるとか前頭葉萎縮などの老化が原因だとかいろいろ理由は指摘されていますが、社会構造が速いペースで変化していることへのもどかしさも一因であるような気がします。
例えばクレームの現場などでよくあるのが、
マニュアル対応をする若手に対し、年長者がブチ切れるケース。
年長者は今までの自分の経験知から「常識で考えてもこれはおかしい!」という理屈で怒ります。しかし、対応をする側はマニュアルに従った対応なので、話が全くかみ合わないわけですね。
次第に年長者は相手にイラつき、激高し、ブチ切れます。
若者にとっては「なんでこうなるの???」とびっくりでしょうが、マニュアル対応は年長者にとってコインを入れたのに作動しない機械のように感じられるのです。だから、機械をどんどんと叩くような行動とってしまうのです。
マニュアル対応をする側にも認知力を鍛える必要があるでしょう。コンプライアンスやガバナンス、社則などで保身に走りすぎて、相手の言い分に耳を傾け、問題解決を図ろうという人間的対応ができていません。
常識で考えてどうなのか? 自分なら相手の立場でどう感じるのか、を土台に判断し、対応ができるといいですね。
年長者の言い分も至極もっともな場合もありますから、無理は聞けないけれど理解はできるという対応に変われば大きくこじれることはないはずです。
クレーマーときちんとしたクレームを聞き分けるのはむつかしいものですが、要は自分の人間としての常識力で接すれば相手にも伝わるはずです。
団塊退職に伴い若い世代が一気に社会の最前線に登場したことによる経験知の断絶、意思疎通の困難がベースとなって発生している危険な状態。高齢者の前頭葉萎縮だけが切れる老人の原因ではないと思うのですが。
団塊退職で急激に開けた社会のステージ。
互いの不足を許容できる「豊かさ」が欲しいものです。
さて、一巡していた仕事がまた二巡目に入りつつあり、少しずつ詳細が固まってきています。
直近では4月25日札幌すみれホテル会場で講演があります。
6月7日は名古屋中電ホールにお邪魔します(私の講演は15:00~です)。
また、お会いしたいですね! 楽しみにしています!
by yoshi-aki2006 | 2016-04-08 10:31 | アンテナ | Comments(2)
今週、来週が当面の正念場ですね(^^)