2016年7月の参議院選挙を前に千の風はどう吹いているのか?

最近、安倍首相の表情が冴えません。
メディアが冴えない表情ばかり抽出して放送しているのかも知れませんが、浮かない顔をされていますよね?

何か心配事でもおありなのでしょうか?

確かに心配事はたくさん・・・。

日本人がバングラディシュでテロに巻き込まれたり、
伊勢志摩サミットでも親しんだイギリス・キャメロン首相が辞意を表明したり、
そのきっかけとなったイギリス・EU離脱国民投票の結果によって途方もない金融波乱と円高が起こったり。

金融波乱は金融機関の経営に不確実性(リスク)をもたらしますし、
年金運用でのリスクにも関心が持たれ
(早稲田大学大学院の米澤先生が運営委員長に就任され(現在は任期を終えられた模様)、米澤先生はデリバティブのご研究でも有名で、ご就任された後、年金の株式にもヘッジ運用が導入されています)
郵政、簡保の米国債運用も円高で傷んでいそうで、それは日本の公的資金も同様です。

また、円高はこれまでのアベノミクスに寄与してきたインバウンド(旅行客による消費)を冷え込ませる上、
資本主義に好ましい緩やかなインフレ、デフレを阻止する程度のインフレ策を帳消しにする原因にもなりかねません。

そんな諸々から
「ああ、私の成そうとしている日本再生プランが大波に晒される浜辺の状態になりつつある・・・」と嘆息されているのかなと推測します。

しかも、脳裏をよぎるのは2007年7月の第21回参議院議員通常選挙です。
この選挙で自民党は大敗し、民主党が第一党になりました。
そして当時の首相も安倍さんでした。当時も安倍首相は憲法問題に意欲を示されていました。

選挙特番の司会者であった筑紫哲也さんは「国民は選挙でしか意思表示の方法がない。その国民がNOと言っているこの結果をどう受け止めるのか?」(およそそんな内容 意訳)と斬り込みました。

その問に安倍首相は続投を表明しますが、最終的には辞任し、谷垣氏に自民党総裁職も移ります。

道半ばで総理の職を辞することになった2007年7月の参議院選挙。

二回目のチャレンジとしてこの夏をつかめるか?

そんなことを憂慮されているのかなと推測します。

さて、参議院選挙前に起こったバングラディシュでのテロ。
しかも邦人が巻き込まれてしまいました。

反射的にテロ撲滅、という気持ちにスイッチが入りそうになるのですが、気になることもあります。

というのも国連憲法で戦争は禁止されていますがテロとの戦いは容認されています。

大河ドラマ「真田丸」において武器商人として描かれた千利休。
この利休に脚本家・三谷幸喜氏は「戦は儲かります」と言わせます。

平和社会は人々には望ましいものでも
武器商人にとっては大いに困ることなのでしょう。

テロとの戦いも戦争です。

どんな紛争であれ、争い事には流血や命にかかわることがついてまわります。テロ撲滅や紛争介入から戦闘状態に。それが激化すれば制圧のための戦が始まるのはこれまでの歴史が示す通りです。

一週間前に起こったテロ。テロは許せない、テロとの戦いにスイッチが入るような流れが仕込まれているのでしょうか? それにしても一週間前の事件といえばイギリスEU離脱国民投票の時も残留派コックス議員事件が、
沖縄基地グアム移転問題の時もグアムで邦人襲撃がありました。
示唆の強い力を持つ不思議な出来事です。


さて、終戦記念日が近くなるとみる機会が多くなる戦争の悲劇。
世界各地で繰り広げられた第二次世界大戦のありさまをドキュメンタリーで見るたびに「狂気の沙汰」としか思えない非人道的な行為に驚愕し、憤怒を覚えます。

しかし、そういう愚かしい部分も含めて人間なのでしょう。

愚かしい人間を平時において平和のためには必要とするロジックで導いたところで
変事に人間は賢明な判断ができる人と愚かさにスイッチが入る人とに分かれます。


いっそバカにつける薬として何が何でも平和憲法としておいたほうがいいのだよ、と幾万幾千と亡くなっていった戦死者たちが二回目のチャレンジとなる7月参議院選挙の過半数狙いに賭ける安倍首相に千の風となって吹き、諭しているのかもしれません。

by yoshi-aki2006 | 2016-07-03 08:52 | アンテナ | Comments(0)  

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