都知事選勝因分析・SNS駆使で若い世代を取り込んだ小池手法
2016年 08月 02日
おのずと話は今回の都知事選に。
「私の入れた人は都知事にならなかったけどね」
とA子さん(50歳代)
「私も」
とB子さん(50歳代)
「誰に入れたの?」と
C子さん(60歳代)
彼女たち全員が増田寛也さんに投票していました。
この年代の人達は増田さんに投票した人が多かったようです。
すると、小池百合子さんに投票した人たちは「アンチ不祥事」以外にSNSで初めて選挙に行ったという若い世代を相当、取り込んだと推測できます。
知り合いの30歳代の美容師さんは「今まで選挙なんか行ったことなかったし、期日前投票もしたことがなかったけど、今回は女のひとを応援しなければいけない、と思って投票した」とちょっと興奮した感じで話していました。
「あのー、小池さんでよかったんですよね?」と自信なさげに聞いてきたので「あなたがいいと思ったのなら、いいんじゃないの?」と答えました。
ではシニア主婦たちは何故、小池百合子さんを嫌厭するのか?
おそらく今までの足跡から手段を択ばない上昇志向が鼻につくというか信用ならないのでしょう。
「なんか嫌な感じがする」
「信用できないというか」
という声がありました。
一方で「偉いわ」という評価もしています。
「この炎天下を17日もあの年で演説しまくるわけなのだもの、大したもんだわ。私には到底できないことよ」
との感想も聞かれました。
鳥越さんはああいうしゃべり方なのでしょうけれど、あのしゃべり方が独特すぎて選挙向きではなかったことと街頭演説が少ないだのマスメディアの徹底した酷評、週刊誌によるイメージダウン、岡田克也氏の投票前の行動に象徴されるばらばら感、宇都宮さんらの情報などからも「みんな一致しての一枚岩の突破候補ではない」との印象、SNSでのネガティブキャンペーンなどなどが敗因かと思います。
ちなみに、今回のことで民進党はものすごくマイナスイメージになってしまいましたね。
増田寛也さんはもともとは知名度がなかったものの、言動を通じて、岩手県人相手に仕事してこられた実直な人柄がそこはかとなく伝わってきて、「ああ、この人なら」と日に日に好感度は高まっていったように思います。
しかし、担いだ人たちの選挙戦に見られる体質の古さ、従来からの選挙戦をすれば何とかなるという感覚そのものが前近代的で今の時代とマッチしていなかったことが足を引っ張りました。
もっとキャラを立てて、若い人に響く、楽しさをSNSで発散できればまた得票は違ったろうと思います。
いずれにしても時代は変わっているのです。新しい人の時代です。
石原慎太郎さんの「厚化粧」発言も水商売の「旦那文化」の中では「旦那、また、あんなこといって」とお姐さんたちに受け流してもらえるのでしょうが、今はSNS民主主義というかみんな水平線なのです。
フラット化が進んでいるので、発言の意味だけが問題視されるのです。
少し前の週刊文春で作家の林真理子さんがよく利用しているブランド店に取り置きの服か何かを受け取りに行ったときに「お客様のお名前は?」と聞かれて衝撃を受けたというエッセイを書かれていました。
林さんの言わんとするところはものすごくよくわかるのですが、今はそういう時代なんですよ。そういうふうな世の中にされちゃってしまったというかなっちゃってしまったというか、昔、通用したことが今、通用しないというか、
そんな時代なんですよ。
石原慎太郎さんの「厚化粧」発言もお座敷や銀座のバーなどで玄人筋の女性相手のボキャブラリーなのですよ。
それを「古い」というか「時代は変わった」というかは人それぞれですが、
政治をするからには多くの人に伝わるボキャブラリーで話すのが筋。
人が若返っているのですから、ボキャブラリーも変えていく必要があるんですよね。
その点で紅一点の小池さんは筋読みがうまかった、ということでしょう。
さて、マスメディアでも市井の人々でも、その小池さんが伏魔殿でどうなるか、お手並み拝見と重大関心を抱いて注視しています。
小池さんはそれを見越してマスメディアを味方につけようとしているのか、頻繁に取材を受けています。
小池百合子さんの得票数は2912628票
全体投票数は6546362票でしたから投票した人の45%から支持されているとはいえ55%の人は違う人に投票しているわけなので、小池都政に対する視線も当然、厳しくなるだろうと思います。
追記・・・票の質という点で、SNSの勢いで、わーっと勝敗をつけた「勢いで勝った候補者」に一定の年齢の人たちは危険性を感じています。ここが民主主義の難しいところです。
勝った結果は尊重するものの、票の質という点で、気になることがたくさんあります。
多数決という点で、かつてヒットラーがどのようにして生まれ、どのようなことをしたのか。田中角栄氏はどんな流れで失脚していったのか。小泉劇場で誰が一番得をしたのか。そういう流れの中で小池百合子さんを見ると、今一つ、輝く女性の時代に輝く人と手放しで応援しきれない「何か」があるような気がするというのがシニア層の偽らざる気持ちでしょう。
北朝鮮はこのタイミングでまた、テポドン攻撃を仕掛けてきました。
今後、おそらく、どこかのタイミングで首都防衛論が浮上してくるでしょう。
その時、小池百合子さんが都知事としてどう判断するか、来年の議会選挙も含めて、都政にかかわるステークホルダー全員が、熟考し観察し、最善を選択できるようにしたいものです。
勝てば官軍。都知事になることがまず大前提で、そのレースには勝った点で小池さんはお見事でした。
石原慎太郎さんが途中で投げ出し、猪瀬さんが半年で首を取られ、舛添さんが二年と持たなかった何か特別なことがあるような問題。
最終日に「私はジャンヌダルクになりたい」とのたまった小池さん。
きざなことを言うなあ、とちょっと引きましたが、意味があるメッセージなんだろうと思い、調べてみると、
ジャンヌダルクは神の声を聴いて、時の王様シャルルに進言。
イギリスに攻めてこられて困っていたフランスの戦を逆転勝利に導きます。
しかし、わずかな年月ののち、ジャンヌは敵国に金と引き換えられ、敵国で火あぶりの刑に処せられてしまいます。
ちなみに小池百合子さんの初都庁出勤日にはジャンヌダルクの紋章の色のインナーを着用していました(うがちすぎかしら?)
Wikiより。
都政・オリンピックにまつわる巨大な何かに小池さんがどう切り込み、暴くのか。
お手並み拝見ですし、私たちステークホルダーも是々非々で応援すべきはして、ダメなときはダメ出しをしてみんなの車輪を導いていきたいですね。
議長が発言されたように、一輪車ではだめ。
方向性は都民ファースト。
できない理由を探すのではなく、できるようにしてくださいというのは小池さんの公約にも言えることです。
選挙だけでなく、都政にも都民を巻き込んで実現していただければと思っています。
新しい時代の新しい政治。
勝っただけで去った今までの知事とは違う都政。
どう展開するのか、これから注目したいと思います。
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さて、ここでお知らせです。
8月30日日本取引所大ホールで女性講座が開講されます。
投資未体験の方でもよくわかる投資の話
是非、ご来場くださいね。
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by yoshi-aki2006 | 2016-08-02 15:04 | アンテナ | Comments(0)