グリコ・森永事件は株価操作が目的だった? 話題の本「罪の声」

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塩田武士さんの「罪の声」を一気に読了しました。
グリコ・森永事件は昭和の重大未解決事件としてあの時代を生きた人には忘れられない歴史の一つです。

私は当時、駆け出しの学生ライターで報知新聞や東京スポーツ、日刊スポーツに原稿を届けに行っては下手な文章を叱られて腐っていました。当時、すでに株式投資をしていて体験談を書くこともぼつぼつしていたころだったと思います。
世の中にFAXやワープロが出回るかどうかの当時、マスコミ全盛期に至る過程であり、その起爆剤となるような大きな事件が立て続けに起こっていました。
グリコ・森永事件、ロス疑惑、日航機墜落、ホテルニュージャパン火災事故などなど。

グリコ・森永事件の時、森永の社員の人が「わが社の製品をぜひ、お買い求めください」と赤坂だったかで、直売りしていて
気の毒に思って、1500円ほど購入したことを覚えています。

事件が起こって、該当食品会社のお菓子は売り場から除去され、森永製菓は窮地に陥っていたのです。

さて、小説の体裁になっていますが、筆者は元新聞記者。調べ上げたデータの中には限りなく真実に近いと思われる記述もたくさんあり、非常に面白かったです。

すでに詳細を伝えるWiki=ウイキペディアなどがありますから、ご存知の方も多いと思いますが、
犯人像は小説の中に登場している人々と近いのだろうな、と思います。

上場企業を狙っていた事、しかも一部のある程度の規模の企業に絞られていること、裏取引があったかなかったかは不明ながら、金品を要求しておきながら、一度もそれを受け取りに現れなかったことなどから、株式での売買益狙いだった可能性は十分説得性があります。

が、当時は個人投資家には売買株数の無税制限があり、それを逸脱して売買すると目立ったはずです。

その詳細は小説をお読みいただくとして、作者である塩田氏が指摘するように、事件を起こした側に比較して、巻き添えになった子供や捜査当局の中には責任を感じて退職日に焼身自殺した県警本部長もいたりして、なるほど、人間には2通りある、と思い知らされます。

自分の欲のためには人の犠牲などはなんとも思わない人と
そうした悪人のしでかしたこととどんな形であれ、苦しみながら向き合う人たちと。

因数分解し、何が罪なのかを明らかにしようとする取材者の姿勢にも久しぶりに、読んでよかった言葉を見つけた思いになり、充実した読書ができました。

ふと、テレビで国会を見ると、民進党・蓮舫氏が安倍総理に森友学園の国有地払下げ問題について質問していました。
「総理、なぜ、国民がこの事件にこんなに関心があるかわかりますか? 安倍晋三学校と名前を付けようとしたり、安倍首相頑張れなどと園児たちに言わせ、安倍昭恵夫人が名誉校長を務めたりしていた森友学園に国有地が考えられない値段で格別安く払い下げられたことに関して政治家の関与があったのかどうか、つまり政治家の力で税金が不適切な使われ方をしたのかどうかを知りたいからなんですよ」(おおよその意訳)と追及していました。

それに対して安倍首相は「先ほどの答弁を聞いていなかったのですか?」とお豆腐を無理やり箸で立てたような答弁をされていました。今日は北朝鮮からミサイル発射で結果的にはその対応が優先され、安倍さんは救われた恰好になりました。

塩田武士さんの本のあとがきに「大事件がたくさん起こり、対外的にはそのさなかプラザ合意が結ばれ、金余りが起こり、バブルに突っ込んでいく」(だいたいの意訳)とありました。フォークランド紛争、豊田商事事件等も1980年代に起こった事件です。

今、デジャブ感にさいなまれるのは私だけでしょうか。

テラーソン国務長官が近々、日韓を訪問するようですが、北とこれまでにない緊張展開となるのでしょうか。いずれにしても、波高し。一人一人が、何が大切な事実なのかをどうぞ見失いませんように・・・。





by yoshi-aki2006 | 2017-03-07 08:47 | アンテナ | Comments(0)  

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