帰路の楽しみ

同じマンションにそこそこ有名な精神科医がお住まいである。
私は全く知らなかったのだが、上の階の形成外科の先生が「あの先生は週刊Bに連載をお持ちの××先生」と教えてくださり、知るところとなった。

精神科医の先生の本をたまたま読んだばかりだったので、「へー」と思い、いつかお話する機会があればなー、くらいに思っていた。

ところがその先生H氏は常に全くよそみというのをなさらないのである。マンションの廊下を彼が先に歩いている。背後の私の足音は彼に聞こえているはずである。しかし、彼は絶対に後ろをみない。
私が同じシュチュエーションなら、必ず背後を振り返り、後ろの人に挨拶をするのだが。

H先生はご自分のお部屋に入るときも絶対にわき見しない。だから目の合いようがない。

奥様はそんなことはないが、H先生はまっすぐ前を見て、一目散におうち。

でも、先生はお部屋につくなりドアのスコープから後ろを歩いてきたのは誰だったか確認していると思うなぁ。だから、私はドア前を通るとき、満面の笑顔をしてスコープに手を振ってみせる。
先生は絶対見ているはずだ。そして、「なぜ僕がスコープを覗いていることをこの人(私)は知っているんだろう?」ときっとオシッコをもらしそうなくらいびっくりしていると思う(いや、私の願望としてびっくりしてもらいたい)。

先生がスコープの前で背後の人物が誰だったか確認していると確信する私は先生の部屋のまんまえにあるエレベーターホールでトドメにフラメンコの決めポーズをして見せる。
エレベーターがなかなか来ないときはマルカール(ステップを伴って左右に動くモノ)やジャマーダ(伴奏者などに送る合図の鋭い決め技)やブエルタ(回転)などで大サービスだ。

H先生は精神分析医なのできっと「エレベーターホール前で踊る不思議な女性の症候群」とか「マンション・ドアスコープ前演技女の不思議」とか、きっと研究されているに違いない。

また、何かパフォーマンスをやっちゃおうと企画中(ウシシ・・・^^;)

それにしても。
どうしてあそこまで背後を振り返らないで歩けるのか、私にはそっちのほうが不思議なのだが。

by yoshi-aki2006 | 2006-07-17 16:09 | 人間考察 | Comments(0)  

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