軸足がぶれないってこと

一年にこんな忙しい時があるかな? というくらい出張が続きーの、講演がつづきーの、突発的な取材申し込みが続きーの。そんな最中、飲み会にもつれ込みーの、もうたらふく飲んだからいいだろーというタイミングでまた別の飲み会にもつれこみーの、当然しゃべりまくりーので、私の汲めども尽きぬ声量もさすがに枯れ気味である。

しかし、お客様はそんなことはしったことかいな。
常にプロには「完璧」を求める。講演終了後のアンケートを見ると、ほとんどが非常に満足、まあ満足と圧倒的にご評価をくださいながらも、小さく欄外などに「ちょっと早口であった」とか「声が枯れていた」とかのご指摘を受けることもあるのだ。
仕事つーのはホントにチレェーものぞなぁ、もし。

しかし、私はある女社長の言葉を思い出すのだ。
「私は白鳥。そう思いなさい。白鳥は美しい。しかし、水面下では沈まないようにずっと足をバタバタし続けているのよ」

「うわー、今日はやばいよ。ひょっとしたらこのまま倒れるかもー」
って体調ぜっ不調の時でも、女だったら誰でも経験するあの日の
「うわー、大変なことになってるわね、きっと」
という日も、家族が救急車で運び込まれていくようなときも、死ぬほど仕事がたまっているときも
すずしー顔をしていること。それがプロというものなのだ。

泣き言や愚痴をいうなら、止めればいい。誰も頼んで仕事してくれっていってるわけじゃないんだからさー。
私はやるで、やったるで~と意気込みつつ、人と会食し、鬼と化す担当者の目を盗んでステージを見に行く(なんだよ、遊びに回す時間あるんじゃん! 原稿、どうなってるだーと怒っているであろう担当さま・・・)

場所は日比谷公園野外音楽堂。大御所・小松原庸子舞踊団のこの日の特別ゲストはファン デ ファンさんというスペインでも日本でも有名なダンサー。私の習っている先生とも競演されたことがある。

このステージのおととしの特別ゲストだったアントニオさんはちゃんと踊っていたがファン デ ファンさんは踊りというより「芸」で、それはそれで見ごたえがあった。

ファン デ ファンさんも先日のオルティガさんもアントニオさんも見事に軸がぶれないしっかりした踊りを見せてくれる。優秀な踊り手は軸がぶれないことだと気がつく。

この「軸」というのが実は分るようで分らないものなのだ。また、「あ、こういうことか」と分ったとしても体現するのは非常に難しい。継続して軸のしっかりした踊りを体現できることが一流のプロの条件だと思う。

ステージには私なんか足元にも及ばない踊り上手な人がたくさん登場する。そのうまい人でさえ、「しっかり踊らねば!」と気合が入りすぎて、ロボットのような動きになるケースがある。
この力みが取れればもっとうまくなれる(と、人の踊りはいくらでも冷静に見られるのだ。前述の私の声枯れ批判と同じ理屈で)。

うまい人は踊りの苦しさをつゆぞみせず、自然体に優雅に踊っている。

さらにいえば。
どんなに場数を踏み、美しく、踊りが上手でも、保身にまわってこぎれいにまとめ上げる踊りには感動が伴わない。ある人の踊りを「いつ、ブレイクするの?」とずーっと見ていて、最後までそれがなく、がっかりする。
髪が乱れ、汗が飛び散り、少々走っても、自分の壁に挑戦しようとする姿を見るとき、人はその迫力に感動し、おしみなく拍手を送るのだ。

踊り手の中に一人、キレのいい人がいるな、とプログラムに目を凝らしたら有名な伊集院史郎さんだった。よく有名アーティストと組む実力者である。

軸足がぐらぐらしないで人を感動させられる踊りを毎回見せること。
私もそんな仕事ができればいいな。
なんて収穫もあったのだから、忍びの自由時間もいいものですね!

by yoshi-aki2006 | 2006-07-28 18:50 | ボディ | Comments(0)  

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