丁寧にやればやるほど貧しくなる技師領域ワンオペのお仕事

マンツーマンサロンのオーナー美容師さんに私は言いました。

「私たちの仕事って丁寧にやればやるほど貧しくなる構造不況業種だよ」って。
マンツーマンサロンの美容師さんはニューヨーク、ロンドンの有名店で修業し、帰国後、雇われ店長を経たのち開業。
住宅街の中の隠れ家的サロンで地元のマダムをメインにオーナー美容師として対応。

朝から晩まで一人でシャンプーからドライ、仕上げまでをこなしています。
駅から遠いとはいえ、土地柄、家賃は高い。
家族も養っていかなくてはならないためダブル家賃をねん出しなければなりません。
仮にその額を月100万円とすれば材料費や電光熱費などを合算すれば150万は必要でしょう。そして、家族の生活費なども入れると180万円は売り上げなければなりません。
すると25日営業するとして一日72000円は売り上げなければなりません。パーマカット、カラーカットで15000~18000円として5人はお客さんが毎日来てくれなければなりません。
中にはシャンプーブローだけのお客さんも入るから8人くらいは来てくれないとなりません。カラーやパーマで一人2時間かかるとして10時間、シャンプーブローを3人こなしたとして朝から晩まで働かないと店は回っていきません。
「昨日なんか9時から9時まで働きましたよ」とオーナー。
一人で対応しているため爪もボロボロです。

忙しいからと言って手抜きすればたちまちお客は他店に流れていきます。
多少、高くても技術があって「ああ、やっぱり修行されてきただけあって腕がいいわ~」とリピートしてもらわないとなりません。

しかし、丁寧にやればやるほど時間と手間がかかり、収入は限られていきます。
もう一つの悩みは顧客の高齢化問題です。

高級住宅街のマダムたちの多くはどんな人たちかというと、旦那さんが大会社の役員だったり医師、官僚だったりして退職金などのプールも多く、受け取り年金額もたっぷり。
なのでマダムが美容室に通い、観劇やお茶会、旅行などに不自由なく使えるお金があるわけですね。

しかし、そうした昭和型のマダムの多くは80~95くらいの年齢に差し掛かり、
「通いたいけど介護型ホームに入るの」とかが発生。中には十万億土へ御旅立ちも。
予約したことすら忘れてすっぽかしたりの認知能力の問題も起こり、店の経営にかかわってきたりしている。

でも、そういう顧客ほど気位も高く、こだわりも強いので丁寧に技術を施さないとならないし、話術も必要。つまり気の抜けないお客さんなのです。
さわされど、これって、丁寧にやればやるほど、真心を込めれば込めるほど貧しくなっていく貧困ビジネスといえるのではないでしょうか。

ワタシのような株式領域の経済アナリスト、資産運用アドバイザー職も独立系がなかなかな育たないのは丁寧にやればやるほど時間と手間がかかり、良心的にあろうとすればするほど仕事量と収入が見合わない状態になっているからだと思います。
その点でオーナー美容師のワンオペ状態と同じ。

証券会社などに属するアナリストたちは会社側にとっては顧客サービスという付加価値としての存在です。
証券会社を経由して顧客が売買をするときのサービスとしての株式分析だったり、経済情勢コラム提供があり彼らには会社員として給料が毎月支払われます。
その会社員としての収入があったうえで研究にいそしめる。

が、独立系には固定収入がありません。

でも、日ごろから幅広く多くの人に研究成果を参考にしてもらい、「あ、この人の意見は参考になるな」と思ってもらって実際に利益を得る機会を獲得してもらい、名前を覚えられ、コラムなどリピートしてもらい続けることで、イベントなどでの登壇機会をもらうことになります。

しかし、コロナ禍でリアル講演会の数は激減。
しかも、リアル講演に足を運んでくださる聴衆の多くはご高齢になられ、なかなか思うように現場には足を運べなくなってしまっています。
実際、「木村さん、足が悪くなってもう会場には来られない。元気でね」と声をかけてくださった常連さんがその後、なくなっていたりしています。
そこにコロナ禍でしたから、私のような仕事も直撃を受け、今後についてもワンオペ貧困ビジネスの一種だな、先行きは厳しいなと思っています。

かといって、絶対に手抜きはできません。ちょっとでも手抜きが感じられるとたちまちお客さんは離散します。

いろんな話を聞きに各所に出かけて行かれ、耳のいい方たちが相手ですから登壇者が「ああ、この人、適当なこと言っているなあ」と感じ取るやその時点で帰っていかれます。顧客は深く鋭い分析を求め「一般論」は必要とされていません。
だから、朝四時,五時から分析に役立ちそうなデータを探し、努力を続けるわけですね。結果、35年も仕事をやってこれたわけです。

ワンオペ貧困ビジネス状態ではありながら、ここまで続けられてきたのは、日本株メインの仕事領域での自主規制の意味で米株やFXでの資産運用でそれなりの収入があること、養う家族がないこと。年齢の若い時に不動産を持ち繰り上げ返済を続けて住宅ローンを早く完済したことなどが支えになっているといえるでしょう。
そして、危ない人、危ない会社とはかかわらなかったことも大きいと思います。

番組を持っていた時に「ちょっとな」と思うスポンサーが付くようなケースも過去にはありましたが、やはり、洞察した通り、「どうかな」と思うような経緯があったのであえて、引き受けなかったりすると登壇機会は限られてきます。が、それでいいと思います。お金のために仕事をやみくもに引き受けなくてもいいように環境を整えてきたことはよかったと思っています。

ワンオペオーナー美容師さんも「ホットペッパーを利用したらいいといわれてやってみたけど、うちのサロンには合わないと思って今はやってません」ということでやはり、自分の思うような環境に妥協はありません。その点でワタシと同じだなと思います。

あと、ワンオペ貧困ビジネスの一つかも、と思うのは腕のいい歯医者さんも該当するかも、と思います。
ワタシの通っている歯科医院はそれはそれは腕がよく、何回も引っ張らずにささっと直してくれて、料金もホントに低価格です。
代々、歯科医。そして、自己所有の建物で医院をなさっているので低価格で良心的な施術ができるのだと思います。
が、腕がよく良心的だからこそ、早く治せるイコール収入機会が減少という意味で、技術があるのに貧しくなる構造なのです。

そして、「うちは国内小麦で為替の影響はないはずなのに仕入れる小麦価格が高騰して経営が圧迫されている」という丁寧なパンつくりで人気の地元パン屋さんも苦境です。「値上げせざるを得ないです」と。
丁寧に仕事しても貧乏になる一途。
こんな矛盾した世の中おかしい。

伸びていく豊かになれるワンオペビジネスはあるのでしょうか?
よく考えてみたいですね。

さて、月曜日、水曜日、金曜日に更新している動画ですが月曜日はこんな内容でした。




今日は水曜日なので18:00で新しい動画を公開します。
引き続きよろしくお願いします♪







by yoshi-aki2006 | 2021-11-17 06:27 | Comments(0)  

<< 主婦の不調は栄養失調を疑え 人は人生のうち何回か環境を選ぶ... >>