2019年 05月 30日 ( 1 )

 

人は死んだらどこへ行くのか? 虫の知らせで訃報をつかむ

ワタシ、足がこんなんだから木村さんの講演会場にはもうそろそろ通えなくなるかも。

といつも会場に杖をついて通ってくださっていたお客さんM子さんから、そういわれたのは今から2年ほど前のこと。

その後、どっさり切手を送ってきてくださって、「主催者から木村さんの講演があると手紙が来たけど、足が悪く、講演にはいけないので、講演のレジュメを送って」とお手紙が入っていました。そこで、それ以降、時々、お送りしてしましたが、このたび、ご家族から「先月、亡くなりました」と連絡をいただきました。

えっ?
そうなんですか! このお知らせにはこたえました・・・・。
とても優しくしてくださって、大好きなお姉さんでしたのに・・・。20年は会場に通ってくださっていたのに・・・。

そういえば、いつもならお葉書とかくださるのに、今回はご連絡がなかったから、ご旅行かなと思ってましたけど、亡くなったんですか・・・・。

最後にお会いした時のことを思い出します。講演会が終わった後、お茶しましょと待っていてくださって、ほかの方もついてこられたんですが、ほかの方はお互い面識がない同士のようで、席に座って「ワタシ、コーヒー」「ワタシはアイスティ」と言っている。全くしょうがないなあ、と私がカウンターで注文して持って行ってあげると、M子さんは全員分の飲み物代を私が出したのだと悟って、さっとその分のお金を出してくださったりする。

誰が払おうと礼も言わずに当然のようにゴチになる人とM子さんのようにさっと察して人に負担をかけないようにと心配りをする人では人の格が違う。

このM子さんのような人になら、切手をいただかなくたって、いくらでもレジュメを送ってあげようと思いました。

時には厳しい、はっとさせられる言葉もくださいました。
株式講演会では市場の見通しのほうを中心に聞きたい人と銘柄を聞きたい人とニュースの別の見方を聞きたい人に大別されるのですが、以前、私がマルカ(旧マルカキカイ)を3桁の時に案内して5倍になったことを、
「また、ああいうの、ないの?」「あれは良かったわ」
とほめてくださり、比較的、大型有名な数銘柄を紹介した時などは、
「ワタシはこれがいいと思います! という一番押し、これですという銘柄はないのん? マルカみたいなの、ないのん?」
と叱咤激励調で質問してくださいました。

その時は、「ああ、そうだなあ、またマルカのような個人投資家が資産を増やせるタイプの小型で一部に上っていくような銘柄を発掘しないとなあ」と思ったものです。

亡くなったと聞いてから、ものすごくさびしい気持ちになり、
倉吉に向かうバスの中で人知れずしばし慟哭しました。

いつも杖をつきつき会場に足を運んでくださったM子さん。
地下鉄の駅まで見送ってくれて、優しい笑顔で手を振ってくださったりもしました。

他人とは思えない方でした。
ご家族から亡くなったことを知らされはしたのだけれど、でも、お姿を見ない先だっての講演会場で、しきりと「ああ、どうされているのかなあ」と気になっていました。

レジュメを送っていなかったら亡くなったこともわからなかったわけですが、その時に限って縮小しないでプリントしたら結構な枚数になり、いつもなら電話番号までは書かない封書で送るのに、レターパックライトにしたのでした。そのレターパックライトの電話欄を見て、ご家族が知らせてくれたわけなので、偶然に導かれるように、M子さんの魂が働いてきっと「ワタシ、死んじゃったんだよ」と教えてくれたんだと思います。

ちなみに、こういうことはよくあります。
優しいお姉さんFPだった小川千尋さんが亡くなった時も、まったくの偶然が重なって、訃報を知ったし。
これまで、偶然にあった人が、ゆかりの小物が、天気が、さまざまな人の死をインスピレーションのように教えてくれたものです。

こうした経験からこの世で縁を紡いだ方たちは死んだときに「おーい、ワタシ死んじゃったんだよ~」ということを知らせに来る気がします。

その時、知らされた側が「ありがとう、あなたには本当にお世話になりました」と手を合わ、感謝すると肉体から離脱した魂は次の旅に心置きなく出かけられるエネルギーを受け取るんだろうと思います。

死んで「おーい、ワタシ死んじゃったんだよう」とこの世で縁があった人に伝えた時、「ああ、やっとくたばったか。本当に嫌な奴だったなあ」と疎まれるような生き方をしている場合は、いくら知らしめても誰からも楽しい旅に必要なエネルギーを貰えないのでしょう。きっと。

だから、情けは人のためならず。

人が陰で手を合わせてくれるような徳を積む。
嫌なことをされても復讐したり恨んだりしないで、魂の旅路に事欠く事態に至ってやっと格の低い魂は気付きを得るのだということを信じることに。

哀しい、さびしい気持ちを手放し、目を閉じ、手を合わせて心の中で何度となくM子さんに感謝の気持ちを念じています。


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by yoshi-aki2006 | 2019-05-30 18:10 | Comments(0)